暗闇に浮かぶ赤鬼、青鬼 脚踏みならし豪快な舞い 姫路・書写山円教寺

たいまつを振り回して舞う赤鬼=姫路市書写、書写山円教寺

 天下太平や五穀豊穣を願う鬼追い会式「修正会」が18日、姫路市書写の書写山円教寺で営まれた。多くの参拝者が集まった堂内で、赤鬼と青鬼がたいまつを振り回して力強く舞った。

 開祖の性空上人が1007年に亡くなった後に始まったと伝わる。赤鬼は毘沙門天、青鬼は不動明王の化身とされ、性空上人に仕えて山麓に住んだ童子の末裔、梅津家が代々担う。

 儀式があったのは、昨年11月に国の重要文化財への指定が決まった摩尼殿。従来、全ての扉を閉じて行うが2021~23年は、新型コロナウイルス感染症対策で扉を開放して行った。今回は4年ぶりに扉を閉じた暗闇の堂内であった。

 僧侶がお経を唱えた後、赤鬼は鈴とたいまつ、青鬼は剣を持って登場。大きく振り上げた脚を踏みならしながら内陣を練り歩いた。

 赤鬼を務めた梅津徳人さん(35)は「暗い中で舞うことができ、日常が戻ってきたと感じた。年始から大きな地震もあったのでより太平を強く願った」と話した。(辰巳直之)

© 株式会社神戸新聞社