【中国】自動運転へ道路・通信整備、26年まで試験[車両]

中国工業情報省(工情省)は17日、高度な通信技術などで安全性の高い自動運転を実現する自動車「インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)」の発展に向けた試験事業を始めると発表した。2024~26年を試験期間と定め、道路側のインフラ整備や自動車の無線通信技術の搭載、自動運転車の交通違反の調査・判断の仕組みづくりなどに取り組む。

工情省、公安省、自然資源省、住宅都市農村建設省、交通運輸省が連名で、自動車、道路、クラウドを統合してICVを発展させるための応用試験事業に関する通知を出した。各地方政府に試験都市への参画を募る。

試験事業では、道路の第5世代(5G)移動通信システムや、自動車とあらゆるモノをつなげる無線通信技術「V2X」のインフラ整備を進める。信号機や交通標識などのネットワーク接続率を9割以上に高める。

バスやタクシーなど公共交通機関のV2X用端末の搭載を進め、新車の端末搭載率を5割とする。一定の条件下でハンドルなど複数の操作を部分的に自動化する「レベル2」の機能を搭載した新車にもV2X端末の搭載を促す。

自動運転車に乗る「安全員」やプラットフォームの責任者の研修・評価・管理制度も整備する。交通違反や交通事故などを調査・判断する方法を策定し、事故原因や隠れた危険性を排除するための対策を報告する仕組みをつくる。

自動駐車機能を持つ駐車場の建設や自動運転物流車両の運用などの試験事業にも乗り出す。

中国では自動運転タクシーや幹線輸送、無人配送など多くの試験が進む。工情省によると、ICV向けに開放された国内の試験道路は23年末時点で約2万2,000キロメートルとなり、試験走行距離は計8,800万キロ。

一方で、道路インフラの建設基準が曖昧で、業界間の協力が不十分などといった課題があるという。

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