能登半島地震の影響で大規模な断水が発生していた氷見市で18日、市全域の通水が復活した。1日の発災後、水道管の破損や漏水が多発し、一時約1万4千世帯が断水していた。2週間以上続いた復旧作業の結果、最後まで残っていた北部の中波、脇の2地区約130世帯で17日ぶりに通水した。林正之市長は18日の「ワンチームとやま」連携推進本部会議で「断水状態は解消された」と報告した。
●飲用未復旧あと700世帯
全域の通水は復活したものの、約700世帯は水質の安全検査が完了しておらず、トイレや洗濯などの生活用水となる。市は飲み水としての利用は控えるよう呼び掛けている。全域で飲用に使える完全復旧には数日程度かかる見通しで、18日現在の復旧世帯は約1万3300世帯となっている。
復旧作業は配水池のある市南部から始まった。市は生活用水を利用できる「通水世帯」を拡大させながら漏水修理を進めた。ただ、幹線管路で漏水が相次いで見つかるなど作業は難航。漏水箇所が多い地域に一気に水を通すと新たな断水を発生させる恐れもあり、慎重な作業にならざるを得なかった。
市民に節水を呼び掛けながら作業を続け、17日時点で水がまったく出ないのは配水池から遠い県境周辺の中波、脇の2地区となっていた。
林市長は連携推進本部会議で県や県内市町村の支援に感謝を述べた。富山新聞社の取材に「市民は一日千秋の思いで待っていた。見通しが立たない状況で、最悪1月いっぱいという思いもあったが、解消できてよかった」と語り、市民の生活再建にさらに注力する考えを示した。