黎智英氏の裁判に「共犯証人」出廷

壱伝媒集団(ネクストメディア)の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏と『りんご日報』関連企業3社の裁判は1月17日、公判11日目に入り、検察は初の「共犯証人」であるネクストメディア元CEOと『りんご日報』元CEOを召喚した。18日付香港各紙によると、張剣虹・前社長は17日、検察の質問に対し『りんご日報』の日々の運営、編集上の決定、幹部の役割などについて説明し、黎氏がネクストメディアの最高指導者で最終的な意思決定者であり、張氏は黎氏と取締役会の指示を実行する責任がありという。 張氏は、2014年のセントラル占拠行動の後、黎氏が占拠運動に深くのめり込み、「『りんご日報』は反政府、中央政府に対抗する新聞になったようだ」と述べ、『りんご日報』幹部らは一貫してこの方向性で経営していたことを明らかにした。

張氏は、黎氏が『りんご日報』の創設者であり「舵取り」であり、ネクストメディアの筆頭株主であり、ネクストメディアの株式の70%以上を保有していると述べた。 張氏はセントラル占拠時に『りんご日報』の編集長を務めたが、彼の観察によれば、黎氏はそれまでは『りんご日報』の編集方針にはあまり関与していなかった。 張氏は『りんご日報』の創刊から2014年まで、そのイメージは主に「パパラッチ」と「エンターテインメント」だったと考えている。

しかし、14年9月にセントラル占拠事件が発生すると、黎氏は占拠運動に深く関与するようになり、『りんご日報』の編集方針に積極的に参加し、民主主義のために戦うよう市民にデモ参加を呼びかけるために『りんご日報』を利用する意向を表明。「622住民投票」の推進、「真の普通選挙要求」、中国共産党白書への反対を掲げた。 さらに張氏は『りんご日報」の編集方針が19年に変わったと述べた。19年に政府が「逃亡犯条例」の改正を発表した際、黎氏は『りんご日報』の経営陣に対し「逃亡犯条例」は「香港人の民主、自由、人権を侵害する」と指摘した。また黎氏は「民主主義、自由、反全体主義を追求する」反中央および反特区政府のイメージを鮮明にし、この改正案は「香港の民主主義と自由を抑圧する」ものになると述べたという。『りんご日報』を通じて市民に街頭に出てデモや抗議活動を行うことを呼びかけるよう要求。黎氏は経営陣に対し「経済界は非常に心配している。法律が可決されればメディアも立ち行かなくなる」と指摘。国際レベルでは、黎氏は『りんご日報』を利用して西側民主主義諸国に対し、香港の逃亡犯条例改正反対に注意を払うよう呼び掛け、各国が支援を提供し、中国政府と香港政府に対して行動を起こし、さらには中国政府に制裁を加えることを期待していた。

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