全国剣道選抜県予選特集 男子(2) 雑草軍団・柳ケ浦が台風の目となる 【大分県】

剣道の全国選抜大会出場を懸けた県予選が21日に開催される。男子は明豊が頭一つ抜けているが、大分鶴崎が対抗馬となり、柳ケ浦や杵築も虎視眈々(たんたん)と頂点を狙う。「ストップ・ザ・明豊」を目指すライバル校を紹介する。第2回は4年ぶりに九州大会の出場を決め、勢いに乗る柳ケ浦。

部員は2年生4人、1年生4人。中学の頃に県大会で上位入賞できなかった自称・雑草軍団は、「技術は劣っても気持ちで負けない」と、元気のある真っすぐな剣道を体現する。昨年11月の県高校新人大会では4強入りし、4年ぶりの九州大会の出場権を手にした。キャプテンの沢村耕助は「チームが一つになって、思い切った剣道ができた。これまで練習してきたことが出せた」と喜ぶ。

「成長を感じる」と話す沢村耕助

2年前に高倉寛矢コーチが赴任して、部内の雰囲気がガラリと変わった。高倉コーチの歯に衣(きぬ)着せぬ言葉に戸惑いもあったが、徐々に引き込まれ、稽古から勝負にこだわるようになり、モチベーションを高く保てるようになった。沢村はコーチの「魔力」に引き込まれた一人。「こうすれば勝てる、と言われたことを実践したら試合で勝てるようになった」と証言する。成功体験を重ねることで信頼関係は深まり、今では指導者と選手の気持ちが一体となり、チームワークの良さにつながっている。

全国選抜大会の県予選では気の抜けない試合が続くが、沢村の弟である昭太(1年)ら本番に強い選手が多く、大会を盛り上げそうだ。「やれることをやるだけ」と選手に気負いはなく、高倉コーチは「実力では他校に劣るが、勝負は何が起こるかわからない。弱者なりの戦いはできる」と秘策を練っている。

稽古から勝負にこだわり、今大会は優勝を狙う

(柚野真也)

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