水戸京成百貨店元社長逮捕 高橋水戸市長「信頼回復を」 市民「残念」 茨城

水戸京成百貨店=水戸市泉町

茨城県警は18日、新型コロナウイルス対策の国の雇用調整助成金計約1億3300万円を不正受給したとして、詐欺の疑いで、水戸京成百貨店(茨城県水戸市泉町)の元社長、斎藤貢容疑者(66)=千葉県柏市豊町2丁目=を逮捕した。

元社長の逮捕を受け、水戸芸術館と市民会館、京成百貨店を一体化して「MitoriO(ミトリオ)」と名付けてPRする水戸市の高橋靖市長は「驚いている。トップが起こした事件であり、非常に残念。会社として反省し、出直してほしい」と強く非難した。市民会館は昨年7月に開館し、京成百貨店とは国道50号をまたぎ2階部分をつなぐ上空通路も開通。来館者と飲食、買い物客が回遊する仕組みを整えていた。

高橋市長は「市は政策として引き続き連携はする。信頼回復に最大限の努力なしでは私たちのパートナーにはなり得ない」と述べ、県内唯一の百貨店である点にも言及。「消費文化をつくり上げる上で必要であり、誰もなくなってほしいとは思っていない。その点でも信頼回復に努めてほしい」と話した。

同百貨店の買い物客らからは驚きや憤りの声が聞かれた。同店前でバスを待っていた同市の30代女性は月1~2回買い物するといい、「不正をしていたことにはびっくりした。1年前の事件だけどよく覚えている。どういう指示があったのかをはっきりさせてほしい」と注文した。同市の無職、70代女性は「とんでもない話。県で唯一の(百貨店の)看板を掲げているのに残念だ」と語気を強めた。

■入札指名停止 茨城県が可否判断

水戸京成百貨店元社長の逮捕を受け、茨城県は近く、同社に対する指名停止処分の可否を判断する「物品調達入札等委員会」を開く。

県が物品を調達する際は原則、競争入札資格者名簿の登録事業者から購入する。ただ、登録事業者が不適切経理への関与、不誠実な行為といった県の基準要件に該当した場合、指名停止を行うとしている。同社への委託事業もあり、県の担当者は「指名停止の判断も踏まえ、対応を検討したい」と話した。

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