スタバ初進出、駅チカのTSUTAYAを改装 初夏の豊岡に但馬1号店 ターゲットは子育て世代

スターバックスの併設に向けて改装中の「TSUTAYA AVIX豊岡店」=豊岡市大手町

 カフェチェーン店の「スターバックスコーヒー」が今年の初夏にも兵庫県豊岡市にオープンすることが18日、分かった。JR豊岡駅に近い大型書店の一角を改装して、読書とコーヒーが楽しめる新店舗に衣替えする。子育て世代を新たなターゲットに、気軽に足を運べる地域交流の拠点を目指す。(丸山桃奈) ### ■最も近い店は県外、車で1時間以上

 同県北部の但馬地域では、植村直己冒険館(豊岡市日高町)にあるカフェが、スターバックスの店舗で使われる装置を導入してコーヒーなどを提供しているが、実店舗が進出するのは初めて。

 スターバックスコーヒー・ジャパン(東京)と、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、同)はライセンス契約を結び、カフェと書店を組み合わせた店舗を2003年から展開する。スタバを擁する融合店は現在、国内外で約80店舗あり、兵庫県内で2店舗目となる。

 但馬初のスタバは、既存の「TSUTAYA AVIX豊岡店」(豊岡市大手町)の中に併設する形で出店する。一部を改装してスタバ(約230平方メートル)を導入。店舗全体(約730平方メートル)の3割近くを占める。コーヒーを片手に、未購入の本や雑誌を読むことができる。高速Wi-Fiなども備える。

 店内には書籍のほか、文具や雑貨、CDなどを用意。豊岡店独自のサービスも今後、検討するという。これまで主な客層だった学生と30~50代に加え、家族連れでもゆっくりと過ごせる環境にする。

 豊岡市では、21年に開学した県立芸術文化観光専門職大学が今年4月に1~4年生の全学年がそろうほか、一部の小学校区で子育て中の若い家族が住む新興住宅地の開発が進んでおり、両社はカフェの堅調な需要が見込まれると判断した。

 CCCの担当者は「地域の人の新しい発見や、交流が生まれる場所を目指していく」としている。

 現在、豊岡市に最も近いスターバックスは、鳥取市か京都府福知山市。いずれも豊岡市街地から車で1時間以上かかり、府県境を越える必要があった。

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