訪日外国人に防災情報の多言語化が必要、大阪市長が問題意識

大阪市の横山英幸市長は1月18日、大阪市内で災害が発生した際、訪日外国人への対応について、市の定例会見で説明。「海外の人が、今何が起きていて、自分が次どうしたらいいのか、情報の多言語表記を可能な限り進める」と話した。

大阪屈指の観光名所である道頓堀や戎橋界隈。小雨でも国内外のたくさんの観光客が観光を楽しんでいる姿が見られた(1月18日・大阪市内)

日本政府観光局の発表では、2023年12月度の訪日外国人は273万4000人でコロナ禍以降の最多を更新。年間では2506万6100人で、コロナ前の2019年と比べ78.6%まで大きく回復している。現に大阪市内の観光名所は国内外の観光客で溢れ、大型バスに乗って名所を移動する光景もよく見かける。

今後も増えていくと予想される訪日外国人観光客だが、彼らの防災意識について横山市長は「世界で発生するマグニチュード6を超える地震の17.9%、5回に1回は日本で発生することを海外の方がどこまで認識されているのかわからない。地震に備えようと思って観光に来ていただける方はなかなかいらっしゃらない」と指摘。

続けて、「日本にいるときに災害が起きて何もわからず、地下街に逃げて津波に巻き込まれるようなことがあってはいけない」と想定される危険性を話す。

対策については、「命を守ることが重要。発生時に命を守ることに関して、どうしていくかを今一度共有する必要がある。可能な限り海外の人に防災情報、たとえば津波避難ビルなど、情報が届くようにしたい」と話した。

取材・文・写真/岡田由佳子

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