「休校も考えられる」「客をキャンセル」 断水情報に沖縄中南部9市町の住民混乱 漏水事故の影響で

 断水するの? しないの?-。県企業局の漏水事故の影響が懸念される沖縄本島中南部の9市町では18日、担当者が対応に追われ、住民には混乱が広がった。(南部報道部・又吉健次、社会部・榧場勇太、吉田伸)

 各自治体の担当者は県の連絡を受けて配水池の水位を上げたり、ウェブサイトやLINEで住民に広報したり、と慌ただしく動いた。

 豊見城市では学校給食センターの担当者が小中学校の児童生徒8200人に提供する給食の対応を検討。「食器を洗う時に大量の水が必要になる。断水になった場合は給食を作るかどうかを判断しないといけない」と気をもんだ。市教委の担当者も「学校のトイレが使えなくなれば休校なども考えられる」と振り回された。

 南風原、八重瀬両町に給水する南部水道企業団には、住民から50件以上問い合わせがあった。「経営する美容室で、19日の客をキャンセルした」「夕方5時まで仕事がある。水をためろといわれても困る」などの苦情も。職員は「すいません」とわびた。

 断水の報道を受け、南風原町のイオン南風原店では飲料水を買い求める客が増えた。18日昼過ぎには店頭に並ぶ2リットルのペットボトルが少なくなり、倉庫から補充された。

 2リットル6本を購入した同町の女性(40)は「昨日も買ったが、6人家族なので万が一に備えて念のために買い足しておく」と話した。一方、水を買わなかった同町の女性(38)は「仕事が終わったらすぐに帰って風呂に水をためる予定だったが、断水にならないと聞いたので様子を見たい」という。「情報がいろいろあって少し混乱している」と戸惑っていた。

 イオン琉球の担当者は「災害などに備え、飲料水は多めに仕入れており、すぐに売り切れることはない」と話している。

断水が懸念される中、飲料水を買い求める客=18日、イオン南風原店

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