沖縄の豆腐メーカー、仕込んだ大豆1トンを廃棄 製鉄企業は工場稼働に遅れ 漏水補修に伴う工業用水の配水停止で

 沖縄県うるま市昆布の県道75号の下を通る導水管で発生した漏水の補修作業に伴う工業用水の配水停止で、一部の事業者に影響が出ている。製鉄メーカーの拓南製鐵(沖縄市)は、18日午後11時にスクラップを溶解し、鉄のブロックを作る「製鋼工場」の稼働開始を予定していたが、漏水事故の影響で開始が遅れた。19日午前7時に製造を開始した。

 製鋼工場ではスクラップの溶解時に高温になる設備を冷やすため、大量の工業用水を使用するという。

 担当者は「貯水タンクは備えているので、ある程度の生産は可能だったが、安全のために時間をずらした」と説明。現時点で製造に極端に大きな影響はないとしながらも「影響次第で工場を稼働するかを社内で協議することになる。(補修の作業がいつまで続くのか)見通しが立たないが、もし水が止まるならば工場の停止は避けられない」と話した。

 豆腐などを製造するまえさと(西原町)は18日、翌19日製造分として仕込んでいた大豆約1トンを廃棄した。18日に大豆を水に漬け込む作業をしていたが、県企業局から、同午後5時から最長30時間断水するとの連絡を受けて、製造できないと判断し、大豆を廃棄した。

 ところが19日午前、県企業局が補修作業を休止し、給水を再開すると発表した。担当者は「早く給水を再開してくれたのでよかったが、廃棄しなければ製造できていたかもしれない」と戸惑った。

 20日から製造を再開する見通し。

導水管漏水の発生現場で行われた水抜き作業=18日午後6時41分、沖縄県うるま市昆布(竹尾智勇撮影)

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