都の新年度予算案 知事の狙いは?

今月末に発表される予定の東京都の新年度予算案についてです。都は新年度予算案は、過去最高のおよそ8兆4500億円となりました。具体的な中身を見ていきます。

まずは教育関連です。学校給食費の無償化に向けて、区市町村が負担する費用の半分を都が補助します。23区では多くの自治体で無償化が進んでいますが、多摩地域の多くの自治体では、財源の問題から無償化に踏み切れていません。このため都は国に先行する形で、保護者負担を軽減させる239億円を計上します。

さらに学校授業料の支援では、私立も含めた都内のすべての高校で、所得制限なしで授業料を実質無償化するために600億円、また、都立大学などの授業料についても実質無償化にするため、15億円を盛り込みます。小池知事はこれらの取り組みについて、国に先行して行う必要性を強調しています。

小池知事:「高校授業料の実質無償化や学校給食費の負担軽減に大胆に踏み出し、スピード感を持って子育て世帯を全力でサポートしてまいります」「給食は本来、国が責任を持って行うべきものです。ただここは国に先行する形で給食費の負担軽減ということで行ってまいる」

都民ファーストの会の都議からは、小池知事が進める子育て政策について、「今後を長く見据えている」といった声が上がっています。これは3期目を目指すとも読み取れますね。

月曜コメンテーターでジャーナリストの鈴木哲夫さんは、「積極的な予算編成や直近の地方選挙で応援する候補の横に相次いで立っている。こうした動きは、3選出馬をしてもいい環境整備をしているのでは」と分析しています。

さらに新年度予算案については、能登半島地震を受けて、急きょ盛り込まれたものもあります。

小池知事:「もしこれが東京の場合はどうなるのかということにも思いを馳せ、予算査定にあたっている電力をいかにして確保するのか、通信の波をいかに確保するのかというのは、災害対応でも必須」

主な事業としては、今回の地震で電波が繋がらない事態が相次いだことから、モバイル衛星通信機器=スターリンクを23区と多摩地域に53台、島しょ部に18台、都庁に6台のあわせて77台を配備するために4億円を計上します。そして、携帯トイレの備蓄を既存の200万人分に40万人分を追加します。

都の新年度予算案は、来月から都議会で審議され、3月末に採決される見通しです。

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