奨学金返還支援、全業種に しもつけ21フォーラムで知事講演 新年度から県内就職促す

しもつけ21フォーラムで講演する福田知事=18日午後、宇都宮市大通り2丁目

 福田富一(ふくだとみかず)知事は18日、宇都宮市内で開かれた「しもつけ21フォーラム」(下野新聞社主催)1月例会で講演し、県内企業へ就職する大学生らの奨学金返還支援に関し、新年度から対象業種を公務員を除く全業種に拡大すると表明した。学生のUIJターン就職を促し、本県産業のさらなる発展につなげる。半導体関連企業の誘致や、日光杉並木植樹400年に向けたPRにも力を入れる考えを示した。

 奨学金返還を支援する「とちぎ未来人材応援事業」は2016年度から始まり、基金を原資に助成している。当初は対象業種を製造業に限っていたが、20年度から卸売業・小売業と情報通信業、宿泊業にも拡大した。県内に就職した大学生と大学院生、短大生、高等専門学校生、専門学校生に、就職後1人当たり計70万~150万円を助成する。累計の支給決定者は69人。

 知事はとちぎ少子化対策緊急プロジェクトの一環として対象業種を拡大する考えを示し、「企業の皆さまにも基金への寄付をお願いしたい」と協力を求めた。

 国の「特定重要物資」でもある半導体などの関連企業の誘致に関し、企業向けの補助率を引き上げる意向も表明。「現在の企業立地・集積促進補助金は、土地は投資額の3%を支援しているが新年度から5%に、建物は4%から5%に、最高限度額は30億円から70億円にそれぞれ引き上げ、新たな成長産業の立地集積を促進する」と述べた。

 25年に植樹400年を迎える日光杉並木街道について、県は新年度予算案にPR事業費や保護に向けた理解促進事業費を計上する方針。知事は「千年杉にするには県民全体で支える必要がある。魅力や重要性を広く県内外に発信し、杉並木保護への支援の輪を広げたい」と強調した。

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