久住小春&佐藤大樹「今までとは違うビジュアルに挑戦」――「瓜を破る〜一線を越えた、その先には」インタビュー

TBSほかで1月23日よりスタートするドラマ「瓜を破る〜一線を越えた、その先には」は、累計発行部数400万部を突破した板倉梓氏による漫画「瓜を破る」が原作。30歳を超えて性体験がないことに悩み、自分に自信が持てない会社員・香坂まい子を久住小春さんが演じ、過去の経験から人と関わることが苦手なOA機器管理会社の契約社員・鍵谷千里に佐藤大樹さん(EXILE/FANTASTICS)が扮(ふん)し、それぞれ孤独を抱えた登場人物たちは、悩んだ末に自分の殻を破って踏み出していきます。

誰にでも心当たりがありそうな、言葉にならない思いをあぶり出す現代のリアルな群像ラブストーリーとなっている本作。今回は、ダブル主演を務める久住さんと佐藤さんにインタビュー。見どころをはじめ、役作りやお互いへの思いなどを伺いました。

――初めに、主演に起用された時のお気持ちをお聞かせください。

久住 「私はドラマ初主演でプレッシャーを感じていましたが、このチャンスを無駄にしないように全力で駆け抜けました。また、芸歴は長い方ですが、初心に戻った気持ちで頑張りました」

佐藤 「原作を読んでリアルなストーリーにほれ込み、これは絶対に演じたいとお受けしました。今までとは違うビジュアルでおとなしいキャラクターなので、そのギャップも楽しみにしていただきたいです」

――周りからの反響はいかがでしたか?

久住 「ファンの方からコメントやDMをたくさんいただき、ものすごく喜んでくださいました。放送に向けて、取材などメディアに出ていくうちに実感がさらに湧き、ドキドキしています」

佐藤 「自分のマネジャーさんがこの原作の大ファンで、周りでも読んでいる方が多く、身近な人からの反響が一番大きかったです。ファンの方も今までにない役どころで『楽しみ!』と反響をいただいています。特に、ビジュアルが出た時は、原作のファンの方も喜んでくれてうれしかったです。企画書をいただいた時に比べて、実写化が発表された後の漫画の発行部数が伸びていて、とても驚いています」

――それぞれ演じられるキャラクターについて、どんなことを意識されましたか?

久住 「私は普段、会話をする時に相手の目を見て話しますが、まい子は自分に自信がなく目を見て話すことができないキャラクターなので、内気な部分を繊細に演じました」

佐藤 「かつらは絶対に嫌だなと思ったので、長かった前髪をバッサリ切りました。髪も黒に染めて、ビジュアルから鍵谷くんに近づけました」

――原作から表情など研究したことはありますか?

久住 「表情などはあまり意識せず、私にしかできないまい子を演じて、違う部分は監督と話し合って作り上げました」

佐藤 「漫画の好きなシーンが台本に反映されているか毎回ドキドキしていました。現場に原作を持ち込んで、しぐさなど事細かく研究していました」

――キャラクターの魅力をお聞かせください。

久住 「まい子は真っすぐな性格で、自分のコンプレックスと向き合いながら乗り越えようとする一生懸命さが魅力的だと思います」

佐藤 「鍵谷くんはとてもうぶでかわいらしくて。この子の成長を見届けたいなと思ってもらえる、魅力的なキャラクターです」

――演じる上で気を付けていることはありますか?

佐藤 「なるべく鍵谷くんでい続けたいと思い、現場ではあまりしゃべらないようにしていました。普段とは違うキャラクターなので、最初に久住さんにも、現場で『静かにします』と断りを入れました(笑)」

久住 「私から結構話しかけてしまって申し訳なかったです(笑)」

――撮影で印象的なエピソードをお聞かせください。

久住 「第1話の学生時代の回想シーンで着た制服姿は、この年齢で着る機会はないのでとても印象に残っています」

佐藤 「初デートのシーンは撮影期間終盤で撮影をしたので、2人の距離感が近くなってしまい、監督が『カットカット。ちょっと瓜破っちゃってるんだよね』とおっしゃって。その表現がとても面白かったです。時系列の行き来が結構大変でした」

――共演されてお互いの印象、演技で魅力的に感じたところはどこですか?

久住 「明るいイメージがありましたが、役に真っすぐで真面目な方で、すごく刺激をいただいていました」

佐藤 「久住さんはすごく根性がある方だと感じました。表の世界で多岐にわたって活動する上で、とても必要なことだなとあらためて思います。演技ではちょっとした瞬間の目の動きなど、細かく意識しながら演じているなと感じました」

――ほかの共演者との印象的なエピソードはありますか?

久住 「上司の役で味園美由紀役を演じる酒井若菜さんは俳優として大先輩なので、演じ方やセリフの覚え方など、気さくにいろいろ教えてくださいました」

佐藤 「僕はこの撮影中、久住さん以外の方と撮影シーンがほとんどなく、すれ違いでごあいさつすることはありましたが、ちょっと寂しかったです」

――本作は自分の殻を破っていくストーリーになっていますが、ご自身が今までに殻を破って成功したエピソードはありますか?

久住 「アイドル時代、ダンスはもともとやったことがなく最初はとても下手でしたが、徐々に踊れるようになり『人間は、できないことはないんだな』と感じました。難しいと思っていたことができるようになった時は、瓜を破ったなという感覚になります」

佐藤 「僕、コーヒーが一切飲めませんでしたが、この現場に入って微糖なら飲めるようになりました(笑)。毎朝、現場に行く時に買って、今も飲み続けています」

――逆にご自身の苦手な部分や、コンプレックスなどはありますか?

久住 「私は意外と人見知りでしゃべることが苦手なので、コミュニケーションが上手に取れるようになりたいです。なるべく自分から話しかけるように心掛けています」

佐藤 「ライブの前は毎回すごく緊張してしまうことです。先輩に『緊張することは良いこと』と教えていただいたので、毎回『大丈夫』と言い聞かせながら乗り越えています」

――では最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

久住 「今回、大人なシーンがたくさんあるので、昔から私のことを知ってくださっている方は、すごく大人になったと感じてもらえると思います。また、登場人物それぞれ共感できる部分が多いので、毎週それを楽しんで見ていただきたいです」

佐藤 「鍵谷くんとまい子さんが出会ってから最終回まで、どれぐらい距離が縮まっていくのか、2人の行方を見守っていただけたらうれしいです。あっという間に終わる30分なので、ぜひいろいろな方に見ていただきたいです」

【プロフィール】

久住小春(くすみ こはる)
1992年7月15日、新潟県生まれ。かに座。A型。元モーニング娘。。2006年4月~09年3月までテレビ東京系アニメ「きらりん☆レボリューション」の主役・月島きらりの声優を担当。近年の主な出演作は、映画「GONZA」(23年)、ドラマ「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」(テレビ朝日系)。


佐藤大樹(さとう たいき)
1995年1月25日、埼玉県生まれ。みずがめ座。A型。EXILE/FANTASTICSのメンバー。近年の主な出演作は、映画「小説の神様君としか描けない物語」(2020年)、ドラマ「理想ノカレシ」(TBSほか)など。1月20日スタートのドラマ「離婚しない男-サレ夫と悪嫁の騙し愛-」(テレビ朝日系)に出演予定。

【番組情報】

「瓜を破る〜一線を越えた、その先には」
1月23日スタート
TBSほか
火曜 深夜0:58~深夜1:28 ※初回は深夜1:13~深夜1:43

取材・文/N・E(TBS担当) 撮影/尾崎篤志
ヘア&メーク/Lysa 高橋有紀[久住]、パクヨンソン(Luana)[佐藤] スタイリング/平松正啓(Y’s C)[佐藤]

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