FUJIWARA藤本さん“赤信号看過”“事故不申告”で「略式起訴」とは 前科はつく?

藤本さんは「浅はかな行動をとってしまい、大変申し訳ない」とコメント(ロケットパンチ)

東京地検は17日、都内で当て逃げ事故を起こしたとして書類送検されていた人気お笑いコンビ「FUJIWARA」の藤本敏史さん(53)が道路交通法違反(赤信号看過、事故不申告)の罪で略式起訴されたと発表した。

藤本さんは昨年10月4日、運転している乗用車で東京都渋谷区の交差点に赤信号を見落として侵入。その際、別の乗用車と接触する事故を起こしたが、警察に通報せず走り去ったとして、当て逃げなどの疑いで昨年11月に書類送検されていた。

通報で事故が発覚した後、藤本さんは所属する吉本興業を通じ「浅はかな行動をとってしまい、大変申し訳ない」などとコメント。現在は芸能活動を自粛している。

「略式起訴」とは?

藤本さんが受けた「略式起訴」とはどのようなものなのか。

通常、刑事裁判は憲法(第37条1項)の規定によって、裁判所において公開の場で審理されるのが原則だ。

しかし、公開の刑事裁判が終結するまでにはおおむね3か月程度かかり、場合によってはそれ以上の時間がかかることもある。すべての事件に対し公開裁判を行うと裁判所の処理能力を超えてしまう。

そこで生まれたのが、一定の要件を満たす事件に限り、簡易的な手続きによって刑事処分を決定する「略式手続き(起訴)」だ。

略式起訴の要件

被疑者にとっては、身柄拘束を受けることなく早期に事件を解決できるというメリットがある「略式起訴」だが、以下の要件をクリアしている必要がある。

・簡易裁判所が管轄する、比較的に軽微な事件である
・100万円以下の罰金または科料に相当する事件である
・被疑者が略式手続きによる処理を承諾している

こうした要件のもと、検察官が適当と認めた事件でのみ略式起訴が行われる。

ちなみに、略式手続きのなかで裁判官が下す最終結論は「判決」ではなく、「略式命令」と言われる。略式命令が発せられた後、被告人は罰金または科料を納付して手続きが終了する(被告人が略式命令に不服がある場合には、14日以内に正式裁判を申し立てることが可能)。

「略式起訴」されれば前科は免れない

略式起訴された場合、被疑者が容疑を認めていることから、有罪となって罰金・科料の略式命令が言い渡される。

“前科”には、法律上の定義はないものの、一般的に犯罪をして刑罰を受けたことを指すため、略式起訴された時点で、いわゆる「前科」がつくことは避けられないと言えるだろう。

藤本さんの起訴を受けて、SNS上には「前科つくのか…」「テレビ復帰はなかなか難しいだろうね」といった意見が寄せられた一方、「早く復帰してほしい」と応援するコメントも見られた。

藤本さんが当て逃げ事故を起こした渋谷区の交差点(SEKIGUCCI / PIXTA)

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