米軍がパラシュート訓練を強行 「例外的」の嘉手納基地で 米兵少なくとも14人が滑走路に降下【動画あり】

 米軍は19日午後2時過ぎ、沖縄県の米空軍嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施した。3年5カ月ぶりに行った前回訓練の昨年12月19日から1カ月後、県が中止を求める中、再び降下訓練を強行した。米軍は前回と同じ、伊江島補助飛行場の滑走路の不具合で米軍機の離着陸に支障があるとして「例外的」に基地を使用すると強調。県によると、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所も「例外に当たる」との認識を示している。

 米軍は午後2時過ぎから訓練を開始。嘉手納所属のMC130特殊作戦機1機から2回に分け、少なくとも米兵14人がパラシュートで滑走路に降下した。

 嘉手納町役場では、基地周辺自治体で構成する「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)」の担当者が目視で訓練を確認した。

 三連協会長の桑江朝千夫沖縄市長は「基地周辺は住宅街であることから、住民に重大な影響を及ぼす恐れがある。降下訓練を行わず、伊江島補助飛行場の滑走路を早急に整備することを要請する」と文書でコメントした。

 訓練は1996年に日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、読谷補助飛行場から伊江島補助飛行場に移転合意された。

 11年後の2007年には嘉手納の使用条件として、悪天候などで伊江島の利用が難しい場合や小規模訓練などの4項目が「例外規定」として追加された。

 伊江島への訓練移転合意後、嘉手納での降下訓練は今回で16回目。

米空軍嘉手納基地上空でパラシュート降下する米兵=19日午後2時25分(竹尾智勇撮影)
パラシュート訓練で降下する米兵=19日午後2時25分ごろ、嘉手納基地上空(砂川孫優撮影)

© 株式会社沖縄タイムス社