栃木・佐野の鋳物用具、指定答申 国民俗文化財、無形も4件

栃木県佐野市の「佐野の天明鋳物生産用具および製品」(同市提供)

 文化審議会は19日、東日本の鋳物の一大産地、栃木県佐野市の「佐野の天明鋳物生産用具および製品」を重要有形民俗文化財に、香川県・小豆島の「小豆島農村歌舞伎」など4件を重要無形民俗文化財に指定するよう文部科学相に答申した。近く答申通り指定される。

 佐野の鋳物生産は平安時代が起源とされる。指定の対象は、明治から大正期を中心に製造・使用された用具と製品1556点。溶解炉やたたら板といった一連の生産工程の用具や、羽釜や鉄瓶などの製品を含む。「鋳物師の技術の高さをうかがうことができ、わが国の鋳物生産の変遷を考える上で重要だ」とした。

 小豆島農村歌舞伎は五穀豊穣などを祈り、地元住民が演じる。島内で現存するのは2地区のみとなった。重要無形民俗文化財は他に、鹿児島県薩摩川内市の「川内大綱引」など。

 北海道開拓に重要な役割を果たした馬の蹄鉄に関する「鷹栖の装蹄用具および関連資料」など2件を登録有形民俗文化財に、山形県の「庄内の笹巻製造技術」など2件を登録無形民俗文化財にすることも求めた。

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