【AJCC/追い切り診断】辛口評価「B」は……まさかの想定1人気 「絶好時ほどの気迫と切れは感じない」

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■ボッケリーニ

【中間調整】2020年12月、自身重賞初挑戦だった中日新聞杯で勝利。以降芝中長距離重賞の常連としてコンスタントに活躍を続けている。7歳シーズンの昨年秋は京都大賞典でクビ差2着、チャレンジCでハナ差2着と衰えをまったく感じさせない。

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その後、2022年は参戦した有馬記念を昨年は自重し、中6週でAJCCへの参戦が決定。短期放牧を挟んで12月下旬に栗東へ帰厩しており、28日の初時計で2Fラップ12秒8-12秒5(馬なり)とさっそく早めの上がりをマークした。浜中騎手が騎乗した1週前のCW追いでは手前に変換にモタついたのか、4コーナーでの反応に鈍さがあり直線でもなかなかギアが入らず1馬身の遅れ。それも全体時計はまずまずのものが出ていた。

【最終追い切り】レース当週はCWを単走。1週前に強い負荷を掛けたのが実質の最終追いで、今回はゆったり入り、反応を確かめる程度の内容だった。緩いペースでも力まずに集中して進み、直線では仕掛けに応えてジワッと伸びた。ただし、やはりあと1枚ギアが上がらなかった印象で、少し鋭さに物足りなさはあった。

【見解】年齢なりに調教は調教と割り切ってトボけたような雰囲気がある馬ではある。1週前の物足りなさも許せるレベルではあるが、やはり絶好に思えた昨秋の2戦時ほどの気迫、切れは感じない。実績や安定感には敬意を表しつつ、状態そのものは昨秋ほどではないのかも……ということを頭に入れておきたい。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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