【AJCC/追い切り診断】ボッケリーニを上回る「S」の最高評価 「陣営の“判断”が吉、勝ち負けに期待」

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■チャックネイト

【中間調整】2022年春にノド鳴りの手術、昨年春に去勢手術と2度の手術を施された馬。陣営が高い能力を信じるが故のことで、その期待に応え昨年秋に3勝クラスを卒業。オープン昇級初戦として挑んだアルゼンチン共和国杯で2着にクビ差の3着(同着)と、さっそく重賞でやれるメドを立てている。その後放牧に出され、11月上旬の段階でひと息入れてAJCCに参戦することが内定。

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12月20日に美浦に戻っており、24日に坂路14-14をこなしたのが中間の初時計。28日にはウッドで3頭併せをこなすなど、放牧を挟んでも勢いに陰りは感じられない。1週前追いには今回の鞍上を務めるR.キング騎手が騎乗し、ウッド併せ馬で追走先着。意欲的に速いラップを刻むハードトレで、5F64秒4(強め)は自己ベストを大幅に更新する数字だった。

【最終追い切り】1週前追いが実質の最終追いで、レース当週は比較的ゆったりめの併せ馬。やや反応に鈍さがあったものの、並んでからはしっかり気持ちを乗せ、最後は1馬身抜け出しての先着フィニッシュを果たした。

【見解】1週前の動きがとにかく豪快。迫力ある伸び脚も好感だったが、全体的な前向きさや鞍上との意思疎通ぶりも上々で、精神面でかなりいい状況。それからすると当週の動きはいささか物足りないが、稽古全体の負荷強度が強い傾向にある堀厩舎だけに、直前はオーバーワークを避けるぐらいでちょうどいい。仮に騎手が乗って動かせばピリッとしたかもしれないが、そうするとイレ込んでしまい、レース本番前に消耗する可能性もある“諸刃の剣”なパターンだ。実際に日本ダービーの直前で動かし過ぎた同厩舎のダノンベルーガが、本番で思うようなパフォーマンスを出せなかったケースもあった。なんにせよ1週前までの動きで万全と判断でき、最終追いで手控えた判断も吉と出るのでは。勝ち負けに期待。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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