【AJCC/追い切り診断】重賞初挑戦でも高評価「A」の刺客 「中間からバリバリと負荷、時計も速い」

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■クロミナンス

【中間調整】自身は中央で4勝、クイーンSで3着などがあり、3つ上の半兄に中京記念連覇など中央8勝のフラガラッハがいるイリュミナンスの初仔。脚部不安や再三の骨折などがあり、ここまでかなり順調さを欠いたが骨折明けで4カ月ぶりだった前走・ノベンバーSで勝利。6歳秋にしてようやく条件馬の立場に別れを告げた。

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その後は昇級戦として一応中山金杯を目標とするものの除外が濃厚(結局、登録→除外)で、あらかじめAJCCを本線とした調整が12月中旬から進んでいる。良血馬らしくもともと稽古駆けするタイプではあるが、この中間はさらに動きに切れが出てきており12月21日、1月3日と自身最速となるウッドラスト1F11秒2をマークした。1週前追いはウッド併せ馬で折り合い重視の併せ馬。イン後方からの相手を迎え入れると持ったままでアオり、最後はスパッと切れて楽に半馬身の先着を果たしている。

【最終追い切り】レース当週は気負い過ぎないよう、ウッド単走の調整となった。序盤から高いモチベーションを感じさせるような前進気勢があったが、これを鞍上がしっかり制御。脚はしっかり残っており、ラストに気合いを入れられると鋭く弾けた。

【見解】脚元に爆弾を抱えかなり順調さを欠いただが、この中間はウッド主体に速い時計を出せており、ようやくしっかり固まってきたようだ。前走はウッドで流すだけ、最終追いは坂路。しかし今回は中間からバリバリとウッドで負荷を掛け、1週前、最終追いともにウッド。時計も速い。明け7歳だが休養が長かったぶんか、活気は上々だ。初の重賞挑戦でいきなりメドを立てる走りがあって驚けない。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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