岩手県警の採用、前倒し+年2回 2024年度から、なり手不足に対応

県警察学校体験の模擬授業で、初任科生(右)から指紋採取の方法を教わる参加者。警察官のなり手不足が続き、県警が採用試験を早める=盛岡市青山

 求む、警察官。岩手県警(高水紀美彦本部長)は2024年度から、警察官A(大卒程度)の採用試験日程を現行より3カ月ほど早める。少子化などで激化する人材の獲得競争を受け、早期に確保する狙い。年1回だった試験は2回に増やす。デジタル化の時代とはいえ、県民の命と治安を守る職務に人の手は欠かせず、仕事の魅力の発信にも注力する。

 「警察学校は厳しい、きつい、苦しいと聞くが実際は…」。23年12月27日、盛岡市青山の県警察学校で行われた学校体験。一般参加者の問いかけに、同校初任科生の佐藤宗巡査(18)は「厳しい面もあるが、それは現場で苦労しないようにするためです」ときっぱり答えた。

 県警は近年、なり手不足に直面している。22年度の警察官Aの採用予定者44人(前年度比6人増)に対し、試験の申込者数は205人(同21人減)と、警察官B(高卒程度)とともに過去5年で最少に。新型コロナウイルス禍からの業績回復を期す民間企業の採用意欲は高く、学生側優位の「売り手市場」とあって採用活動の早期化が進む。

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