人気の“カキ祭り”が次々と中止に 暖冬で身入りが遅い傾向で「十分な数を確保できず」 広島

この時期、広島県内で人気の「カキ祭り」が相次いで中止となっています。カキの「生育不良」が理由とみられ、暖冬による海水温の上昇や夏からの雨の少なさが影響しているようです。

広島が誇る冬の味覚「カキ」。カキ祭りは毎年1月から2月を中心に県内各地で開かれますが、2024年は、恒例の「宮島かき祭り」の中止が決まりました。
宮島観光協会はホームページで「かきの数量の確保が困難となったため、やむなく開催を中止することを決定しました」と説明しています。

宮島のほかにも江田島市や、呉市音戸町の「田原まつり」が、中止を決めています。市や観光協会などによりますと、中止の理由は「十分な数のカキの確保ができないため」。背景には「生育不良」があるようです。

広島県水産振興グループによりますと、カキは海水温が20℃を下回ると栄養が蓄えられますが、暖冬で海水温が高かったため、身入りが遅い傾向があるということです。加えて、夏から雨が少なかったため、カキのエサとなるプランクトンが、増えにくくなっていることも、影響しているとのことです。

ただ、海水温が下がれば、遅れて生育が進むカキも増えてくるということです。広島県水産振興グループでは「これから身入りが良くなるものもある。例年通り、広島の冬の味覚を楽しんでほしい」としています。

かき祭り関係者によると「生育不良」といっても味が悪いわけではないそうです。「カキ祭り」が中止だからイコール「カキの出来も悪いんだ」という、風評被害の方を心配する声もあるようです。身入りが戻って、この冬もしっかり楽みたいですね。

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