「先生の口から話して…」支援者からも厳しい声 裏金事件で大野泰正参院議員を在宅起訴 

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、参議院・岐阜選挙区選出で安倍派の大野泰正議員が在宅起訴されました。

最大派閥の安倍派など、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる“裏金”事件。東京地検特捜部は19日、岐阜選挙区選出の大野泰正参議院議員と、会計責任者補佐の岩田佳子秘書を、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴しました。

2人は大野議員が所属する安倍派のパーティー券を販売した際に、派閥から5154万円ものキックバックを受けながら、政治資金収支報告書に記載していなかった罪に問われています。

自民党を離党した大野議員は東京で会見し、不記載への自身の関与も、議員辞職も否定。裁判で争うことを明らかにしました。

(大野泰正参院議員)
「私が収支報告書に関与したことはございません。事務所スタッフを全面的に信頼し任せていたので、収支報告書は適正に作成・提出されていると認識しておりました。
私としましては、検察との間の意見の相違がございますので、裁判においてしっかりと自身の主張をしていきたいと思います。
やましいことはございませんので、しっかりと(議員として)職責を果たしていきたい」

かつて大野議員から、政治資金パーティー券を購入したことがあるという男性は…

(パーティー券を購入した男性)
「清和会としてパーティー券を売るということなので、先生もさばかないと立場が苦しいと。控えめに『申し訳ないんだけれども何とか応援していただけないかくれんか』と」

地元秘書の依頼で10年ほど前から1枚2万円のパーティー券を3枚から5枚ほど購入していたといいます。

(パーティー券を購入した男性)
「(5000万円は)ちょっと驚きました。普段は質素な方で、政治活動するために必要だったので積み重ねになってしまったのかと思うが、こればっかりは先生の口から話してもらうまでは結論が出せない」

会見での記者の質問に「ここで答えることはできません」

(吉田翔記者)
「大野議員の地盤の岐阜県羽島市。JR岐阜羽島駅の前には、祖父の伴睦さんの銅像が立てられています」

衆議院議長や初代の自民党副総裁を務めた、大野議員の祖父の大野伴睦(ばんぼく)氏。「政治は義理と人情だ」という名言を残し、新幹線が止まる岐阜羽島駅前に銅像が立つほどの名士でした。

また父親の大野明さんは労働大臣や運輸大臣を、そして母親のつや子さんは参議院議員を務めるなど、大野議員はまさに政界のサラブレッドとして知られています。

(20年前からの支援者)
「混乱している。これからのことを考えると。裕福なことはない。困ってるというか、つましい生活をしていた。事実が明らかになった時点で有権者に説明すべきだし、説明すると思う」

支援者からも厳しい声…。

(大野泰正参院議員)
Q収支報告書は訂正するか?
「今回の件に関することなので、私としてはここで答えることはできません」

Q安倍派に対して言いたいことは?
「いまの時点でお答えすることはできません」

事件について、大野議員にはさらなる説明が求められています。

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