『#tanka』が話題!「鼻歌のようなメロディーだと思って」 若い世代でブームの自由な短歌を徹底プレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】 

【動画】若い世代でブーム 自由な「短歌」

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材してお伝えする『アナたにプレゼン』。澤村優輝アナウンサーが、最近若者の間でブームとなっている『短歌』についてお伝えします。

今回は『短歌』の話題をご紹介します。『短歌』というと、昔ながらの言葉を使ったりと、少し難しいと思う人も多いかもしれませんが、実は現代でブームとなっています。最近の短歌は、『口語調』で、普段喋る言葉で書かれたものが多いです。そういった短歌と相性がいいのがSNSです。若い世代を中心に『#tanka』とつけて投稿したり、他の人の短歌に話題や歌を重ねるという楽しみ方ができます。

『ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし』

誰にでも通じるような言葉で書いてもいいという、自由な短歌になっています。このような短歌が流行った理由は、下の句を変えてアレンジするという大喜利のようになったことです。

今回は、短歌に親しみたい皆さんのために、長く活躍している広島出身の歌人、東直子さんをご紹介します。東さんは、広島市安佐北区のご出身です。20代半ばに、子育てに追われる日々の中で創作活動を始めました。最近発表された新刊『水歌通信』は、注目の若手・くどうれいんさんと共に表した1冊となっています。短歌そして短い文章で、手紙のやり取りのような構成で物語が進行していきます。

そんな東さんの書かれた代表作がこちら。

『お願いねって渡されているこの鍵を私はなくしてしまう気がする』

『二人乗りのスクーターで買いに行く卵・牛乳・封筒・ドレス』

「お願いねって」始まる短歌は、「誰にお願いをするんだろう…小さい子なのかな」「大人になっても、鍵をなくしてしまうような自分を歌っているのかな」など、想像を膨らませるのが、短歌の魅力です。

先日、広島で東さんのトークイベントが開かれ、短歌の魅力について語りました。

■東直子さん

「心って形のないものだけど、言葉で形を与えてあげることによって、やっと見えてくると思う。見え方も人によって違うと思うんですよ。それがその人の言葉だと思って。短いからこそぎゅっと凝縮して、その人の感覚のエキスみたいなものをダイレクトに受け取れる、そういう面白さがあると思います。」

イベントには、東さんの言葉に共感する40人以上の人が訪れました。31の音で詠まれる短歌だからこその魅力があります。そんなファンにも、東さんの短歌に惹かれる理由を聞きました。

■参加者は…

「せせらぎのような、静かな感じの作品が多いので、けっこう読んで落ち着く感じがします。すごい好きです。」

「生活感もありながら、文学としての素晴らしさもあって、自分のなかにもあるなって感覚をよび起こしてもらえるような作品だと思っています。」

イベントでは、12月をテーマに参加者が短歌を詠んで、東さんが公表する時間がありました。作る人によって見方が変わり、非常に興味深いものとなりました。

これから短歌を詠んでみようかなという人へ、最後にメッセージを頂いています。

■東直子さん

「本当に素直に自分の気持ちをこの形に乗せて、5・7・5・7・7のリズムを、鼻歌のようなメロディーだと思って、率直に自分の言葉や、感覚を思い切りぶつけていただければ。その人の、その人にしか作れない個性的な作品ができるんじゃないかと思いますので、思い切った表現をしてみてはいかがでしょうか。」

【テレビ派 2023年12月21日放送】

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