公共冷蔵庫 食料支援の継続誓う 岡山、開設3周年記念し式典

開設3周年を迎えた公共冷蔵庫。生活に困っている人に食料品を無償提供する

 寄付された食料品を生活に困っている人に無償提供する北長瀬コミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)=岡山市北区北長瀬表町=の開設3周年を記念した式典が19日、北長瀬未来ふれあい総合公園(同所)であった。新型コロナウイルス禍を機に生まれ、地域に根付いた支え合いの仕組み。関係者が節目を祝い、今後も支援を継続していくと誓った。

 公共冷蔵庫はまちづくりの一般社団法人北長瀬エリアマネジメント(同所)が運営。新型コロナの影響で仕事を失った子育て世帯などから食料支援を求める声が上がったことを踏まえ、2020年11月に国内初の取り組みとしてスタートした。

 冷蔵庫と冷凍庫を備え、インスタントや冷凍の食品、米、野菜などのほか、洗剤やトイレットペーパーといった日用品も並べる。生活に困窮したひとり親家庭が対象で、24時間いつでも好きな物を選んで持ち帰れる。

 市を通じて周知し、18日時点で436世帯が登録。1日70~100人が訪れ、利用者からは「頼れる場所があることで心の安定につながる」との感謝が寄せられているという。

 寄付側も年々増加傾向で、登録数は18日時点で個人が1410件、企業・団体が152件。22年度は計約20万点(4500万円相当)の物品が届いた。

 式典では、寄付者を代表して参加した9団体と5人に感謝状を贈呈。運営法人が3年間の活動を振り返って「開設当初はコロナ禍が市民の生活を苦しめていたが、今は長引く物価高騰の影響が大きい」と課題を報告した。

 石原達也代表は「需要を踏まえ、拠点の増設を検討している。子どもが健やかに成長できるよう、困っている人に物品が行き渡る態勢を整えたい」と話した。

これまでの活動を振り返って課題を報告した式典

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