「組織的な悪徳商法」に賠償命令 水回りトラブルで高額請求 「レスキュー商法」集団訴訟で初判決

京都地裁

 水回りのトラブルを低額で修理すると宣伝しながら、作業後に高額な代金を請求する「レスキュー商法」の被害に遭ったとして、京都府などの男女14人が、兵庫県の水回り修理業者ら7人に計約720万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、京都地裁であった。松山昇平裁判長は「組織的に行われた悪徳商法」と認定し、業者側6人に被害全額を含む計570万9千円の支払いを命じた。原告弁護団によると、同様の集団訴訟は京都や姫路など全国3地裁で起こされ、判決が出るのは初めて。

 原告弁護団の説明では、水回りや鍵開けなど家のトラブルに駆けつけて高額な費用を請求する「レスキュー商法」は全国で被害が相次ぎ、国民生活センターも注意を呼びかけている。

 判決によると、2020年7月~21年12月、原告らは、業者らが「アクアセーフティー」「ライフライン24」の社名で運営していたウェブサイト「水のトラブル緊急駆付隊」を見て、修理工事を依頼。サイトには「水のトラブル即解決 千円~」「出張、調査、見積もりまでは無料」などと記載されていたが、トイレや台所などの修理中に「特別な機械がいる」などと言われ、2万円~165万円の代金を支払わされた。

 松山裁判長は判決理由で、業者らが当初から高額な費用を請求することを計画していたと指摘。顧客に工事内容や費用を十分説明せずに一部の作業を始めるなどし、「顧客が断ることが困難な状況を利用した」と認定した。

 原告弁護団事務局長の志部淳之介弁護士は「いったん業者が家に来たら、支払いは断り切れない」とした上で、安すぎる業者に注意する▽別の業者と比較検討する▽正規の協同組合に登録されている業者か確認する-といった対策が有効だとした。

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