eGenesisとOrganOx、人間のドナーによる遺伝子組み換えブタ肝臓の使用に成功したことを発表

ペン・メディシンでの72時間の概念実証手順で、肝臓のサポートのために設計された遺伝子組み換えブタ臓器を使用した最長の灌流を記録

マサチューセッツ州ケンブリッジ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --臓器不全の治療のために人ヒト適合する臓器と細胞を開発するバイオテクノロジー企業eGenesisと、隔離臓器灌流の治療応用に重点を置く医療機器企業OrganOxは、遺伝子操作されたブタ肝臓を使用した脳死状態の研究ドナーの体外灌流を成功裏に完了したことをお知らせします。このドナーは、進行中のPERFUSE-2研究に最初に登録されたドナーでした。

臨床研究の進歩を通じて他の家族を助けようとするドナー家族の寛大な協力によって実現したこの研究は、ペンシルバニア大学移植研究所およびギフト・オブ・ライフ・ドナー・プログラムの協力により実施されました。灌流は、ブタ肝臓を通るドナーの血液の循環を行うためのOrganOx体外肝臓交差循環(ELC)デバイスに接続されたeGenesis肝臓EGEN-5784を使用して実行されました。手順全体にわたり、安定した血流、圧力、pHおよび、堅固な胆汁産生が維持されました。 拒絶反応を示すエビデンスは確認されませんでした。 灌流はプロトコルに従って72時間で選択的に停止され、肝臓は正常性を示しました。

PERFUSE-2研究は、肝不全に苦しむ患者をサポートするために、この肝灌流システムを使用することの実現可能性を評価するために実施されています。米国では、年間30万人を超す患者がさまざまな形態の肝不全で入院しており、急性期での治療を必要としています。既存の肝臓サポートの選択肢の有効性は限定的であり、肝不全の患者は高い死亡リスクに直面しています。一部の患者において、ヒトに適合する遺伝子組み換えブタ全肝を利用して患者の非代償性肝臓の機能をサポートすることで、患者の本来の肝臓を回復するための時間、または肝移植を受けるまでの時間が得られる可能性があります。eGenesisとOrganOXがこの技術を共同開発しており、2024年に米国食品医薬品局(FDA)に治験薬(IND)申請を提出し、ファースト・イン・ヒューマン臨床試験を開始する予定です。

この研究で使用された遺伝子操作されたブタ肝臓は、最近Nature誌に掲載された画期的な前臨床試験で使用されたブタの腎臓と同じ遺伝学を持っていました。これらの編集には、次のものが含まれます。(1) 超急性拒絶反応に関係するグリカン抗原の合成に関与する 3 つの遺伝子のノックアウト。(2) 拒絶反応を調節する経路(炎症、自然免疫、凝固、補体)の調節に関与する7つのヒト導入遺伝子の挿入。(3) ブタゲノムにおける内因性レトロウイルスの不活性化。

eGenesisの社長兼最高経営責任者であるマイケル・カーティス博士は次のように述べました。「この重要な医学的成果を実現可能にし、命を救う肝臓のサポートを必要とする多くの患者に対する潜在的な解決策に向けた将来の取り組みへの道を切り開いてくださったドナーおよび、その家族に深く感謝申し上げます。この研究は、異種移植の分野における初の研究であることのみならず、IND申請を進めるための重要な情報を備えています。」

ペンシルベニア大学移植研究所のAbraham Shaked医学博士は次のように述べています。「この研究の成功は、臓器不全にかかった人々に新たな高品質の治療選択肢を提供するために、高度なゲノム工学を使用して開発された臓器製品のさらなる探索を支援するものです。」

「これは、急性肝代償不全の効果的な治療法に向けた私たちの道筋における重要なマイルストーンです。OrganOXのELCシステムと、eGenesisの遺伝子組み換え肝臓の組み合わせは、最新の臓器灌流技術と肝臓全体の機能を結び付け、重症患者にライフラインを提供する治療(自身の肝臓を回復するための時間、または移植を受けるための時間)の実現を目標としています。」と、OrganOXの最高医療責任者であるピーター・フレンド教授は述べました。

リチャード・D・ハッツ・ジュニア(MFS、CPTC、ギフト・オブ・ライフ・ドナー・プログラム社長兼CEO)は次のように述べています。「米国有数の臓器調達団体の1つであるギフト・オブ・ライフ・ドナー・プログラムは、移植への架け橋や治癒の時間を提供することで、待機列にいる患者さんに新たな希望をもたらす可能性を秘めた、画期的な研究に協力できたことを誇りに思います。この独創的な研究は、自己犠牲にもかかわらず、他の人の苦しみを和らげることに協力してくださったドナーの家族の寛大さなくしては実現できませんでした。ドナーの選択を行うご家族の優しさに、日々刺激を受けています。今後の治験において、この進化する医療分野をさらに前進させるべく、ペン・メディシン、eGenesis、OrganOxと提携できることを楽しみにしています。」

「私たち家族は、この医療の進歩をサポートし、愛する人の遺産が数え切れないほど多くの人々に利益をもたらすことを非常に誇りに思っています。このドネーションが将来重篤な病気に苦しむ人々に希望をもたらすことは、私たちの大切な人物の無私の心と思いやりの証です。」と、ドナーの家族の一員は述べています。

OrganOxについて

OrganOxは、英国を拠点とする商業段階の医療機器会社で、単離臓器灌流の治療用途に重点を置いています。当社の最初の製品である、OrganOxメトラ正常温肝臓機械灌流システムは、これまでに世界中で3,000件以上の肝臓移植手術をサポートするために使用されており、肝臓の質の評価と保存期間の延長を可能にすることで、提供された臓器の使用を最適化します。腎臓移植など、他の治療用法が現在開発段階にあります。詳しくは、www.organox.comをご覧ください。

eGenesisについて

eGenesisは、安全で効果的な移植可能な臓器の開発におけるゲノム工学ベースのアプローチの先駆者です。eGenesis Genome Engineering and Production(EGEN™)プラットフォームは、遺伝子工学によって種間の分子不適合とウイルスリスクに包括的に対処する、この種別において唯一の技術です。eGenesisは、これまでに持続的な前臨床の成功を実証しており、急性肝不全、腎移植、小児および成人の心臓移植の開発プログラムを進めています。詳しくは、www.egenesisbio.comをご覧ください。

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