あまりにも「過大評価されてしまった不幸な現役選手」TOP10

若手の選手は常にメディアで話題を集めるもの。それは将来の期待がプラスされるためだが、時にはそれがプレッシャーになりすぎてしまったり、期待との裏返しで批判を呼んだりも…。

今回は『GMS』から「サッカー界で最も過大評価されている10名の現役プレーヤー」をご紹介する。

10位:マーカス・ラッシュフォード

現所属:マンチェスター・ユナイテッド

国籍:イングランド

18歳でイングランド・プレミアリーグの舞台に登場し、すぐにトップレベルへと上り詰めることに成功したマーカス・ラッシュフォード。ヨーロッパリーグのミッテュラン戦でデビューして2ゴールを決め、好調なスタートを切った。そしてメディアによって大きな注目を浴びる存在になった。

ラッシュフォードにとって厳しかったことは、キャリアの初期段階で大きすぎる宣伝を受けたことだ。マンチェスター・ユナイテッドというクラブのブランドもあり期待ばかりが高まったが、それからプレミアリーグで2桁得点を決めたシーズンは4回しかない。

素晴らしいプレーを見せることもあるが、決して一貫性に優れた選手ではない。成績自体は決して悪くないだけに、期待が実力以上に高まってしまったのが不幸である。

9位:ジョーダン・ヘンダーソン

現所属:アル・イティファク

国籍:イングランド

イングランド代表に選出されるたびに議論は呼んできたジョーダン・ヘンダーソン。大きな成功を収めたリヴァプールのキャプテンを務めたことで過剰に評価されたことは間違いなく、周りが素晴らしいからこそ彼も生きるというタイプだ。

彼はこれまで1シーズンに5ゴールを決めたこともなく、10アシストを提供したわけでもない。彼に求められるものはそこではないのは誰もがわかっているが、他の誰かがゴールやアシストをしなければチームは勝てない。

ユルゲン・クロップのリヴァプールだからこそ生きた選手であり、そこで過剰に評価されたことが時に批判される原因にもなっている。

8位:アントニー

現所属:マンチェスター・ユナイテッド

国籍:ブラジル

エールディヴィジでアヤックスのアタッカーとして大活躍したブラジル人のアントニー。8200万ポンドもの天文学的な移籍金でマンチェスター・ユナイテッドに移籍してきたが、これまでのところほとんど成果を上げていない。

もちろんその移籍金の額は選手の責任ではないが、自動的にプレッシャーや期待は高まってしまう。そして現状を考えれば、もし彼に支払われた移籍金が2000万ポンドでも批判を受けていただろう。

アントニーが見せるトリックやフリックはボールを失うリスクを高める以外に何も生み出しておらず、しかもプライベートでの事件もあって倫理的な問題にも発展している。

7位:ポール・ポグバ

現所属:ユヴェントス

国籍:フランス

才能については世界最高レベルのものだったが、それを継続的に発展させることはなかった。ポール・ポグバはこのリストの中でも最も「もったいない」選手の一人である。

マンチェスター・ユナイテッドのアカデミーで育ったものの、10代でユヴェントスへとフリーで移籍。その際にファーガソン監督は「彼はクラブを軽視している、態度に問題がある」と非難した。イタリアでポグバが活躍したために忘れ去られていた言葉であったが、後にユナイテッドへと戻ってきたあとにそれが正しかったことが証明された。

イングランド・プレミアリーグでは20代前半のころのようなプレーは見られず、数週間に1回しか輝く場面がなかった。その一貫性の欠如は非常に厄介な特性であった。

6位:ミハイロ・ムドリク

現所属:チェルシー

国籍:ウクライナ

トッド・ボーリー政権下でチェルシーに加入した選手の一人であるミハイロ・ムドリク。2023年1月に8850万ポンドという巨額の移籍金が支払われた。21歳の彼に対してそのような額が投じられることは、結果を出すためのプレッシャーが増大し、そしてそれまでの時間もあまり与えられないということを意味する。

過酷な環境の中でイングランド・プレミアリーグでのキャリアをスタートした彼であるが、ここまでの数字や成績はかなり平均的なもので、目立ったものはほとんどない。

まだ22歳のムドリクがキャリアの中で復活を見せるだけの時間はあるが、とはいえチェルシーでの余裕はそれほどない。クラブ側の過大評価によって彼は厳しい立場に陥っている。

5位:カイ・ハヴァーツ

現所属:アーセナル

国籍:ドイツ

イングランド・プレミアリーグではチェルシーとアーセナルでプレーしてきたカイ・ハヴァーツ。その時間は期待されていたほど上手くいっているとは言い難い。レヴァークーゼンからやってきたときには9000万ポンドの移籍金が支払われたが、スタンフォード・ブリッジではそれほど多くの輝きを見せていない。

そして2023年夏にはライバルであるアーセナルへと移籍。チェルシー時代には慣れないセンターフォワードをやっていたこともあり、攻撃的MFに戻ることで復活を見せるかと思いきや、まだ足踏みが続いている。

ときにはそのプレーが結果につながることもあるのだが、いわゆる「1億ユーロを超える価値の選手」としては寂しいものだ。まだ24歳のハヴァーツがどんな役割で生きるのか、まだ誰もわかっていない。

4位:ブルーノ・フェルナンデス

現所属:マンチェスター・ユナイテッド

国籍:ポルトガル

このリストの中で最も意見が分かれる選手だろう。マンチェスター・ユナイテッドのサポーターからは極めて慕われているが、ファン以外にはそのパフォーマンスや態度について批判されることもある。

ゴール数は多いものの、その多くがペナルティキックでもある。チームを支配するようなパフォーマンスもあるが、ではディフェンス面ではそれほどの貢献があるのかどうか。その特性はある意味「諸刃の剣」でもあると見られている。

彼が加入したときのマンチェスター・ユナイテッドは、まさに「FCブルーノ・フェルナンデス」だった。その映像が残っているだけに、彼にかかる期待があまりにも高まってしまっている。

3位:ジョアン・フェリックス

現所属:バルセロナ

国籍:ポルトガル

この数年で最も奇妙なスターだ。疑いのないセンスと才能を持った選手であり、ピッチ上ではそれを見せることもあるが、環境づくりがあまりにもおかしい。そして重要なトロフィーには貢献できていない。

ベンフィカで若くして大ブレイクした彼は1億1100万ポンドというとてつもない額でアトレティコ・マドリーに移籍。当初から「スタイルに合わない」と誰もが心配したが、その通りだった。それからチェルシーにローン移籍し、そして今季はバルセロナへ貸し出されている。

一瞬にして現れ、一瞬にして夢から覚めた。ジョアン・フェリックスがこのところ見せている態度は、かつて期待されたほどのスター像とは程遠い。

2位:アルバロ・モラタ

現所属:アトレティコ・マドリー

国籍:スペイン

アルバロ・モラタがサッカーシーンに登場したのはレアル・マドリーのアカデミーだった。そこで見事なパフォーマンスを見せ、ユヴェントスへのローン移籍でその能力を証明したはずだった。

ただ、それからのキャリアでシーズン20ゴール以上を決めたのは2回のみ。もちろんストライカーとして常に一定の成績を残しており、様々なプレーにおいて能力が高く、アシストもできるため、成績が悪いというわけではない。

しかしながらキャリアの序盤であまりにも過大評価されたことによって残念な部分が多くなっている。彼がエリートではなく叩き上げで、2~3のクラブで長くプレーする選手だったら、英雄のような存在だったはずだが…。

1位:ネイマール

現所属:アル・ヒラル

国籍:ブラジル

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このリストに載っている選手の中でも最も物議を醸している選手の一人である。多くの人々はネイマールがリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドと匹敵できる次のスーパースターだと考えていた。

ブラジルでは彼が「ペレを超えてくれるかもしれない」とも思われていた。その期待は極めて大きく、これまでの歴史上最も将来を嘱望された人物でもあった。ただ、彼はメッシやロナウドのような輝かしい選手にはならなかった。

バルセロナで頂点を極めたあと、彼はフランスリーグのPSGへ。そして昨年はサウジアラビアへ。この数年間は年間20試合に出場することもなくなっており、ロナウドよりも早く衰退してしまった。

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