●復旧、復興のスペースに
穴水町大町の農家民宿「富士SUN(サン)」が地震で倒壊し、営業が困難となった。女性ハンターでつくる狩女(かりじょ)の会代表の福岡富士子さん(53)が「まちなかににぎわいを」と昨年11月にオープンしたばかりだった。福岡さんは失意の中にも「更地にして復旧復興に向けたスペースにしたい」と気丈に語った。
民宿は、福岡さんが築約50年の空き家を改装して開業。ジビエやカキ料理を提供する飲食店やシェアスペースとしても利用できるよう準備を進めていた。
しかし、木造2階建ての民宿は1階部分が崩落。予約は全てキャンセルとなった。ジビエ肉や調理道具、革細工の道具などは、民宿に埋まったままだ。建物の再建は難しく、取り壊して更地にするという。
金沢市内のホテルに小学3年生の長男と避難している福岡さん。「ジビエに関わっていく心は失っていない。利活用や普及の活動を続けたい」と話した。