全面自供「生活費のためだった」 埼玉中心に3県でひったくり72件 容疑の60歳男を追送検/県警

犯行に使用したバイクなど(県警提供)

 埼玉を中心に3県の路上で女性のバッグをひったくったとして、県警捜査3課と蕨署の合同捜査班は19日、窃盗の疑いで、千葉県松戸市、無職の男(60)=窃盗罪で公判中=をさいたま地検に追送検した。県警はこれまでにひったくり事件72件(被害総額約600万円)を確認。そのうち、69件(同約560万円)を追送検し、捜査を終結した。

 追送検容疑は2019年4月19日~23年9月11日、埼玉、千葉、茨城県内の69カ所の路上などで自転車などで走行中の女性の後方からバイクで近づき、現金計約390万円や手提げバッグ等1204点(時価計約170万円)をひったくった疑い。

 捜査3課によると、男は郊外や駅付近の路上で自転車や徒歩の女性に右後方から近づき、追い抜きざまに前籠や肩から下げているバッグを左手で奪う手口で犯行を重ねていた。72件の対象は全て女性で徒歩6人、自転車66人。年代別は40代4人、50代20人、60代19人、70代23人、80代6人だった。現金を抜いた財布やバッグは住宅の植え込みに捨てていたという。

 前歴者の捜査や防犯カメラの精査などから男が浮上し、昨年9月22日に県警が逮捕。その後の取り調べで全面自供するなどしたことから、19年4月から県南東部など3県下での余罪を特定した。

 男は容疑を認め、「生活費のためだった」と供述しているという。

© 株式会社埼玉新聞社