元幹部ら不正受給認識 水戸京成百貨店 組織的関与か 元社長は否認

送検のため水戸署を出る斎藤貢容疑者=19日午前9時14分、水戸市三の丸

水戸京成百貨店を巡る国の雇用調整助成金の詐取事件で、同社の元幹部ら複数人が不正受給を認識していたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。計約1億3千万円をだまし取った詐欺容疑で逮捕された元社長、斎藤貢容疑者(66)の指示を受け、組織的に関与していた可能性があるとみて、県警は詳しく調べる。県警は19日、容疑者を水戸地検に送致した。

捜査関係者によると、国に虚偽の申請をした総務部長(当時)らは、これまでの任意の聴取に対して詐欺容疑を認めており、在宅で捜査を進める方針。斎藤容疑者は逮捕後の調べに対し、容疑を否認しているという。

部長はこれまでの茨城新聞の取材に対し、不正受給の指示について「斎藤元社長に言われて部下に伝えた」と説明している。

同社は昨年1月、部長の指示で新型コロナウイルス対策の雇調金など計3億円余りを不正受給していたと発表。部長や人事担当ら計5人が不正に関与していたと明らかにした。

親会社の京成電鉄などの聞き取り調査に対し、部長は斎藤容疑者の指示だったと説明。一方、調査では斎藤容疑者の指示を確認できるものはなかったと結論付けた。県警もこうした状況を把握しており、裏付けを進める。

© 株式会社茨城新聞社