新型コロナ「10波入った」 茨城県医師会長 8週連続増

新型コロナウイルスの「第10波入り」を指摘する県医師会の鈴木邦彦会長=水戸市笠原町

増加傾向となっている茨城県内の新型コロナウイルス感染について、県医師会の鈴木邦彦会長は19日、同県水戸市内で開かれた定例会見で「第10波に入った」との見方を示した。

県内で1週間(8~14日)に報告された感染者数は1定点医療機関当たり前週比1.82人増の14.09人で、増加が続いている。一方、県内に流行警報が出ているインフルエンザは「ピークは過ぎた」とした。

県内の新型コロナの状況は、2023年夏ごろに「第9波」が発生した。以降、最も感染者数が少なかったのは11月13~19日の週の1.89人で、これを境に再拡大に転じ、8週連続で増加している。鈴木会長はこれを踏まえ、「事実上、第10波に入っている」と述べた。

県によると、保健所別の感染者数は竜ケ崎が22.63人で最も多く、日立22.18人、潮来18.69人、土浦16.36人、古河12.90人、水戸市10.67人と続く。酸素投与が必要な重症・中等症の入院患者数は16日現在で、前週比28人減の59人。

鈴木会長は感染拡大防止に向けて、換気や手洗いなど基本的な対策を呼びかけた。さらに、医療機関の一部ではクラスター(感染者集団)も見られるとし、重症化リスクの高い人の感染を防ぐため「医療機関や高齢者施設を訪れる際はマスク着用を」と求めた。

一方、昨年12月4~同10日の週に30人を超えたインフルエンザは、15.80人まで減少。「ピークは過ぎている」としつつ、検査キット不足を課題に挙げ、日本医師会や県医薬品卸業組合に対して確保に向けた要望書を提出するとした。

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