【知れば知るほどスゴイ!】馬の優れた能力

馬が身近にいると、ふとした瞬間に「すごい!」と感じませんか?今回の記事では馬の能力について、特に優れている部分を3つ紹介していきます。私たちが気付いていなくても、馬たちが得意としていることがあるかも…?

耳がスゴイ!

馬の感覚器の中で、特に大きな役割を果たしているのが耳です。馬の耳には感情表現・音による情報収集などの機能があります。では、どんなところがすごいのか早速みていきましょう。

広範囲の音をキャッチ

馬の聴力は、イヌには劣るものの人間より優れているとされます。環境にもよりますが、馬は4km先の音でも聞こえるのだとか。ちなみに、馬は人間よりも少しだけ高い音域の聞き取りを得意とします。

それに加えて、馬の耳はクルクルと非常によく動きます。そのため、聴力だけでなく「聞くことができる音の範囲」に優れているのです。この器用な耳で「どの方向から聞こえたのか」を察知することで、警戒すべき方向も瞬時に判断できるというわけです。

これは、広い草原で生活していた時代に、どの方向からも肉食動物に狙われる可能性があったため発達した能力と考えられます。

音に関する記憶力

聞く力もさることながら、馬は音に関する「記憶力」がかなり優れているようです。これは、大好きな厩務員さんが来るときの車のエンジン音を聞きつけて喜んだり、嫌なことがあったタイミングで聞いた音に強い警戒を示すようになることからもよくわかります。

これらは、音を察知する能力だけでなく、音と過去の経験を結びつけて瞬時に思い出す能力があるからこそできることですね。

そのため、なかには脚であまり指示を出さずとも、インストラクターさんや乗っている人が「駈歩」と言っているのを聞いただけで駈歩が出せる馬もいるようです。

知能がスゴイ!

馬と関わっていると「賢いな」と感じる反面、たまに「下にみられているかも…」と不安に感じる瞬間も。実際に、馬は人間の子供くらいの知能があるといわれています。

馬の知能は「3歳児くらい」?

馬の知能を数値化する研究では「馬の知能は人間の2~3歳児くらい」という結果が出ているようです。なお、イヌの知能も同程度とされています。ただし、人間から見てどれくらい賢いかは、必ずしもこの研究通りとは限りません。

イヌにもいえることですが、脳の重量・実験への反応から考えて同程度の知能を持っていても、人間への興味の強さ・人間の教え方・性格などにより「人間が望んだ結果が出せるかどうか」には個体差が出ます。

また、感情の複雑性・物事をとらえる力が3歳児と同じくらいだとしても、3年以上生活していれば環境や人への理解は3歳の子どもより深まる可能性もあるでしょう。そのため、馬と接していると「3歳児より頭がよさそう」と感じることがあるかもしれません。

長期記憶に優れている

一口に知能といっても、知能にはさまざまな要素があります。中でも馬が優れているのは、一度覚えたことを時間が経っても覚えておく「長期記憶」という分野です。

例として、馬は一度覚えた人間に関して、数年間会わなくても相手を覚えているとされています。逆に新しいことを覚えることには少し時間がかかるようですが、それはあくまでも人間がルールを決めた実験に関する結果。

たとえば、馬が直感的に嫌だと感じることをしてしまったら「嫌な人」と記憶するのにはあまり時間がかからないかもしれません。そんな記憶力の特徴も頭の片隅において、馬に嫌な印象を持たれないように気を付けたいですね。

身体能力がスゴイ!

馬といえば、なんと言っても運動能力に優れているという点がスゴイ!と感じている方は多いでしょう。走る速さはもちろんですが、その他にも馬には意外な特技があるようです。最後に、馬の運動能力について紹介していきます。

速さは自動車並み

乗馬を習っている方は、ジャンプ力・走る速さなど馬の身体能力を日々体感していると思います。初めて駈歩をしたときは「速くて怖い!」と思った方もいるのではないでしょうか?

しかし、駈歩の平均時速は20kmほど。実は、サラブレッドやアラブ馬は「襲歩(しゅうほ)」という歩様に切り替えれば時速60kmほどの速さで走ることができます。襲歩は駈歩が少し変化したような歩様で、競馬に出走している馬たちの走り方です。

時速60kmといえば一般道での制限速度と同じくらいですね。もちろん、チーターなど「トップスピードが馬を超える動物」はいますが、人を乗せて車と同じスピードで走るのは、他の動物には真似できない馬の能力です。

走るのが速いだけじゃない!

みなさんは「馬は泳げる」ということをご存知でしょうか?あまり見る機会がないかもしれませんが、実は馬たちは“犬かき”のような動きで泳ぐことができます。体脂肪は少なそうですが、一説には腸が長いため浮力を保つことができるのだとか。

実際に、競馬などで負傷して脚にあまり体重をかけられない馬には、プールで泳ぐリハビリを行うそうです。ちなみに、特に訓練をせずに泳げる馬は、馬全体の99%にものぼるといわれています。1%の泳げない馬たちは練習すれば泳げるのかな?と、少し気になりますね。

まとめ

馬の身体能力には、人間と似た部分も違うところもあります。馬の能力を知れば「馬はどう感じているのか」を想像しやすくなり、馬と上手にかかわるヒントになるかもしれません。みなさんもぜひ、馬と接するときは「馬の認知機能・感覚の特徴」を意識してみましょう。

© 株式会社ワールドマーケット