ピンチしのいで価値あるアンダー 古江彩佳「優勝を意識しながら」

全体が伸ばしあぐねる中で1アンダー「71」にまとめた(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ 2日目(19日)◇レイクノナG&CC (フロリダ州)◇6608yd(パー72)

前日は1個も出なかったボギーが、4番(パー3)で先行した。ロングパットがショートした後、パーパットがカップに蹴られた。前日に降った雨の影響でプリファードライのローカルルールも適用されている中、古江彩佳は難しさを感じていたという。

水を含んで軟らかくなったグリーンはスピンが入りやすくなり、ウェッジショットの狙い方も複雑さを増す。「バックスピンを計算して、うまく奥にキャリーさせて攻めたりができていないところもあった」。初日94.44%(17/18)から61.11%(11/18)に下がったパーオン率が象徴するように、忍耐を求められるシーンも増えた。

微妙な距離のパーパットを何度も沈めた(撮影/田辺安啓(JJ))

グリーン右に外した7番はパターで土手を上らせた寄せが大きくショート。それでも2.5mをねじ込んでしのいだ。

「ピンチでした」と言ったのは後半11番(パー5)。パーオンできず、2m弱のパーパットを残しながら踏ん張った。直後の12番で初バーディ。「中途半端で、イヤな距離を決められた。パーセーブで流れを崩さなかったところが、バーディを獲っていけた要因かな」

グリーンを狙うショットで苦戦しながらボギー1個(撮影/田辺安啓(JJ))

この日のフィールド平均スコア「71.401」が示すように全体が伸ばしあぐねる中、2日間でフィールド最少ボギー1個のディフェンス力が際立つ。

粘り続けて攻撃につなげ、パー5の15番も獲って「71」とアンダーパーにまとめた。通算8アンダーでリディア・コー(ニュージーランド)と並び、首位の座は譲らなかった。「リーダーで出たプレッシャーのわりには、まだ1位をキープできているのは良かった」とうなずく。

開幕戦で昨年6月以来の首位ターン(撮影/田辺安啓(JJ))

シーズン開幕戦の週末を最高のポジションで迎える。首位で大会を折り返すのは昨年6月「マイヤーLPGAクラシック」以来。自分に期待するのか、気持ちをフラットに保つのか。「両方ですかね」と言って続けた。

「早めに優勝もしたい。せっかくすごくいい位置にいられている。そこは意識しながら頑張りたい」。冷静に、それでいて意欲を隠さなかった。(フロリダ州オーランド/亀山泰宏)

現役MLB選手のジェフ・マクニール氏と同組。「最後、余裕で50ydは置いていかれました」(撮影/田辺安啓(JJ))

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