【MLB】ジョシュ・ヘイダーがアストロズと5年契約 現在価値としてリリーフ史上最高額

写真:アストロズと5年契約に合意したジョシュ・ヘイダー

今オフ最高のリリーフ投手ジョシュ・ヘイダーがアストロズと契約合意した。1月19日(日本時間20日)、複数の米メディアが報じた。

契約内容は5年9500万ドル。リリーフ投手史上最高額は昨オフにエドウィン・ディアスがメッツと結んだ5年1億200万ドルで、ヘイダーはこの記録の更新を狙っているとされていたが、総額ではリリーフ史上2番目の規模の契約となった。

しかし、ディアスの契約には2650万ドルの後払いが含まれており、現在価値では約9300万ドルとなる。ヘイダーの契約には後払いがないため、現在価値換算ではリリーフ投手史上最高額とすることで落としどころとした形だ。

また、ヘイダーは2012年にオリオールズにドラフト指名され入団したが、翌年にはトレードでアストロズへ移籍。その2年後ブリュワーズへ再度トレードされメジャーデビューした。アストロズではメジャー経験こそないものの、9年ぶりに古巣へ復帰することになる。

ヘイダーはブリュワーズでデビューした2017年以降支配的なリリーフ投手として活躍。四球は多いが卓越した奪三振力を誇り、2年目の2018年には初のオールスターに選出されるとともに、リリーフ投手ながらサイ・ヤング賞投票7位に入るなどブリュワーズの不動の守護神として定着した。

2022年は不振に苦しむ中トレードデッドラインでパドレスへと電撃トレードされ、シーズン終盤に立ち直ると、ポストシーズンでは5試合に登板し全て無失点に抑えるなど完全復活を遂げた。昨季はキャリアハイに匹敵する防御率1.28を記録しており、今オフの目玉投手の一人としてFAになっていた。

アストロズは主要リリーフ投手が複数FAになっている上、先日ケンドール・グレイブマンが右肩の手術を受けて今季全休となったことでブルペン強化に乗り出していた。『The Athletic』によるとアストロズは昨季トレードデッドラインでもヘイダーの獲得に興味を示しており、今回白羽の矢が立ったようだ。

近年アストロズの守護神としてブルペンを支えてきたベテラン右腕ライアン・プレスリーの契約は来季が相互オプションとなっており、今季終了後に退団の可能性がある。ヘイダーを長期契約で獲得したことでプレスリーの衰えや退団にも対応できる形を整えることに成功した。ヘイダーが新守護神と見込まれるため、プレスリーはブライアン・アブレイユとともにセットアッパーとして活躍することが期待される。

アストロズはこの補強によりぜいたく税の対象となることが確実視される上、ヘイダーがクオリファイング・オファーを受けていた選手であるため、今年のドラフト指名権はく奪ペナルティを受ける。負ったリスクは小さくないが、ヘイダー、プレスリー、アブレイユが揃う勝利の方程式はメジャー屈指のものになったことは間違いないだろう。

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