長崎3区、4月に補選の公算 谷川議員の辞職意向を受け 複数候補が浮上も次回は定数減

 谷川弥一衆院議員が議員辞職の意向を固めたことで、4月に長崎3区で補欠選挙が実施される公算が大きくなった。早くも立候補予定者として複数の人物が取り沙汰されているが、次期衆院選は「10増10減」の区割り変更で現3区が事実上解体されるため「先がない戦い」(党関係者)となる。
 公職選挙法の規定により、谷川氏が3月15日までに議員辞職した上で解散総選挙が当面なければ、補選は4月28日に実施される。細田博之前衆院議長の死去に伴う、島根1区と同時となる。
 既に補選を想定した動きが始まっている。立憲民主党県連は16日に常任幹事会を開催。前回衆院選の長崎3区で谷川氏に約2千票差で敗れ、比例復活で初当選した県連副代表の山田勝彦衆院議員(44)=比例九州=を擁立する方針を確認した。
 一方の自民内では、大票田の大村市区選出、松本洋介県議(47)に期待する声が浮上。現3区に佐世保市の一部が含まれるため、谷川氏の秘書経験がある佐世保市・北松浦郡区選出の山下博史県議(49)を推す意見も出ている。
 日本維新の会県総支部は「対応を検討する」としている。
 ただ当選しても、谷川氏の残任期間である来年10月30日まで。その前に岸田文雄首相は解散総選挙に踏み切るとみられる。次期衆院選から区割り変更で県内定数は4から3に減る。現3区は大村など3市が新2区に、五島など6市町が新3区に組み込まれ、事実上解体される。
 立民の山田氏は新2区の公認予定者だが、補選を弾みに大村市などで浸透を図るとみられる。
 迎え撃つ自民は、新長崎1~3区の公認候補を全て内定済み。谷川氏は比例に回る予定だった。現状では3区補選で公認候補が勝ち抜いても、次期衆院選の選挙区で公認される余地はない。
 ある自民関係者は「裏金問題で自民候補は相当厳しい戦いを強いられる。谷川氏と同様に次期衆院選での比例転出が約束されなければ、補選に手を上げにくいのではないか」とみている。

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