ハローキティやマイメロディたちと広大な島を冒険!サンリオの箱庭ゲーム「Hello Kitty Island Adventure」をレビュー

「Hello Kitty Island Adventure」は、ハローキティやマイメロディらサンリオキャラクターズとオープンワールドでの冒険を楽しめる箱庭ゲーム。プレイヤーはキャラとの仲を深めながら、広大な島の謎を解き明かしていく。

一見“キャラゲー”のように思える本作だが、オープンワールドならではの自由度の高さや大人でもつい熱中してしまう謎解きやコレクション要素が癖になり、サンリオをあまり知らない人でも楽しめる。「The Game Awards 2023」「D.I.C.E Awards」といったモバイル部門へのノミネートや、「2023 App Store Awards」のベストApple Arcadeゲーム部門を受賞した実績からも、ゲームとしてのクオリティの高さが窺えるだろう。

今回は、そんな本作の序盤のストーリーやその魅力をお届けしよう。

■物語の始まりは「飛行機の脱出」から!?散り散りになったキャラを探しながら島の謎を解き明かそう

物語は、主人公であるプレイヤーが飛行機内で目を覚ますところから始まる。ハローキティの説明によると、どうやら我々は「ビッグ・アドベンチャー・パーク」というところでバカンスを過ごすようだ。

説明が終わると、プレイヤーのキャラメイクが開始。アバターは大きく分けて鳥・犬・猫・ウサギから選べるほか、体形や色、目や耳の形などを自由に組み合わせて作成できる。

アバターは気分や服装に合わせて変更できる

到着にはもう少し時間がかかるそうなので、飛行機に同乗しているキャラたちに挨拶することに。乗客にはポムポムプリンやクロミなどサンリオおなじみのキャラだけでなく、アグレッシブ烈子やチョコキャットといった、普段お目にかかることが少ないキャラも見受けられる。

キャラ同士の関係が垣間見える会話も

順調に思えた旅路だったが、ハローキティが「できたてのイチゴのケーキ」を振る舞おうとしたところ、なんとカップケーキマシーンが故障してしまった。大量のケーキが飛び交う機内から脱出するために、乗客は風船を持って飛行機から飛び降りることになる。

なんとか島に上陸した一行だが、ハンギョドンやポムポムプリン、クロミなど一部の乗客が見当たらないようだ。プレイヤーは広場に集まったキャラと協力して、島のあちこちを冒険しながら彼らを探すことになる。

……こう聞くと何やら重々しい始まり方のように思えるが、実際はそんなに切羽詰まった状況ではない。基本的には島での生活を楽しみながら、まだ見ぬ火山や深海などを冒険し、はぐれてしまった仲間探しや島の謎解きを進めていく。

■テーマパークを復活させて島の謎を解き明かせ!冒険に疲れたら釣りや模様替えでリフレッシュ

本作は、友好度の指数である「友達レベル」を上げてクエストを解放するのが基本的な進め方となる。クエストにはメインストーリー的な立ち位置の「島の謎」や冒険に必要な道具が使えるようになる「ツールクエスト」、キャラとの会話が楽しめる「友情クエスト」などがあり、島の探索範囲を広げるのに必須となるものも存在する。

序盤に探索できるのは“シーサイド・リゾート”という島の入り口にあたるエリアのみで、行えるアクションも陸地を歩く、ジャンプする、風船を使って空中で浮くといったものに限られている。そのため、まずは新たなエリアに行けるようになる「ゲートのパワーアップ」や水の中に入れるようになる「フィン探し」などのクエストを優先して行うのがオススメだ。

島のマップの一部。ストーリーを進めることで海底や火山、氷山などのさまざまなエリアを冒険できるように

「島の謎」では閉鎖されたテーマパークを復活させるため、博識で冒険好きなチョコキャットらとともに島中を駆け回る。テーマパークの施設には前述した行方不明の乗客たちがおり、彼らの「湿地にあるアトラクションを動かしたい」「ダンスホールを開きたい」といった悩みを解決することで物語が進んでいく。

クエストを進めていく中で本性(?)が露わになるキャラも……

本クエストのカギとなるのが、各エリアに散らばったクリスタル。クリスタルは施設の稼働に必要なアイテムで、謎がいっぱいの遺跡や奥深い海底などに点在している。

クリスタルを集めて施設を動かすと、本作のキーマンであるキャラクター・トップハットが記憶を取り戻していく。最初は自分の名前しか覚えていなかったトップハットがかつてのテーマパークの様子を思い出していく過程に、「その先はどうなるのか」とワクワクすることだろう。

トップハットと話すチョコキャット。聡明さがにじみ出る会話にも注目

メインストーリーとは別に、島での暮らしを豊かにしてくれる「ツールクエスト」も重要だ。このクエストを達成することで、魚釣りや洋服の染色、来客を呼べるキャビンの模様替えなどができるようになる。謎解きや冒険に疲れたときは、自分好みの島を作ってのんびりスローライフを満喫するのもいいだろう。

なお、これらのクエストの解放に必要な「友達レベル」は、各キャラが好むアイテムをプレゼントすることで上げられる。プレゼントは基本的に1キャラにつき1日3個まで贈ることができるので、毎日コツコツプレゼントを贈ってレベルをアップしていこう。

■キャラたちと友情を深めたり、島の謎を解いたり、ぐでたま探しに勤しんだり……自由度の高さが本作の魅力

これだけでだいぶお腹いっぱい……と感じる人もいるかもしれないが、本作でできることはなんとこれだけではない。ひらめきが必要なパズルルームや操作スキルが問われるチャレンジコース、家具や洋服などの多彩なコレクション要素といったやり込み甲斐があるコンテンツがとにかく豊富に用意されている。

筆者が特にどハマリしたのが「ぐでたま探し」。島中に隠れている96体のぐでたまを探して写真を撮るという、なかなか骨が折れるクエストだ。ぐでたまは孤島にポツンといたり家のそばにいたりすることもあれば、海底や岩陰に潜んでいることも。サイズが絶妙に小さいので、気を付けていないとつい素通りしてしまう。

ぐでたまを探しているうちに今まで見落としていたエリアに行きついたり、なかなか見つからなかった宝箱が見つかったりと、思わぬ発見につながるのも特徴。さらに、週ごとに隠れる位置が変わるという、難易度が非常に高い「トップハットぐでたま」も存在する。

また、10個の謎を解く「お化け屋敷」やトロッコに乗って鉱石を集める「クリスタル鉱山」など、謎解きやアクションの要素が散りばめられた施設も多数用意されている。必要な操作はタップのみと非常にシンプルな分、余計なことを考えずにプレイできるのもうれしい。特に謎解きに関しては、頭の固い大人ほど意外と悩んでしまうものが多い印象だった。

そのほか、島の生き物を集めて寄贈する「生物保護区」や着せ替えに役立つ服や帽子といった、コレクター心をくすぐる要素も豊富。サンリオならではの愛らしいデザインの生き物やアイテムは、かわいいもの好きにとってはたまらないだろう。

集めた生き物やアイテム、達成したミッションなどは「コレクション」の欄から確認できる

現時点でも充分すぎるほど高い自由度を持つ本作。1月にはメインストーリーや新キャラなどを追加するアップデートが実施され、さらにやり込み要素が増えた。2月にもアップデートが行われるそうなので、新たな冒険も期待できるだろう。

月額制のサブスクに加入する必要があるとはいえ、これだけ遊べて追加の課金が不要というのもうれしいポイント。1ヵ月の間は「Apple Arcade」に無料で加入できるほか、同じくAppleが提供するサブスクリプションサービス「Apple One」ではよりお得に「Apple Arcade」のゲームを遊ぶことができる。気になった人はぜひプレイしてみてほしい。

(C)2023 SANRIO CO., LTD.Used Under License.


© 株式会社イクセル