20日から開幕 全国高校アイスホッケー プロ経験生かし裏方役/元ブレイズ白鳥さん

八戸工業高校の公開練習で選手にアドバイスする白鳥さん(左)=18日、八戸市のテクノルアイスパーク八戸

 八戸市、南部町の計3会場で20日に開幕する全国高校選手権アイスホッケー競技。選手たちを裏方で支えるのが青森県実施本部事務局の白鳥洋さん(40)=八戸工業高教諭=だ。同校アイスホッケー部監督も兼ねる白鳥さんは、同市などを本拠地とするアジアリーグの東北フリーブレイズの元選手。プロの経験を生かして「高校生がプレーしやすい環境づくりに努める」と意気込む。

 白鳥さんは早稲田大卒業後、栃木県のプロチーム・日光アイスバックスに3年間在籍し、2010年8月、ブレイズに入団。GKとして活躍した。

 入団2年目の夏、オフシーズンを活用しチームメートと母校・八戸商業高でアイスホッケー部の部員たちに指導を始めた。「自分の高校時代は、監督や外部コーチ、たくさんの選手がいたが、(八戸商で)指導を始めた頃は専門的に教えられる指導者がおらず、部員の数も少なかった」と振り返る。「自分がプロで経験したことを次世代に継承していかないと」。この経験が、高校教師転身のきっかけになった。

 現役最後の1年間はマネジャーも兼務し、遠征の段取りや移動の際の運転手など裏方業務を経験した。「大変だったが、学びのある1年だった。選手がプレーできるのは当たり前ではなく、裏にいる多くの人の協力のおかげだと知ることができた」と回顧する。13年3月、ブレイズ初のアジアリーグ単独制覇を見届けて引退。同年4月から教師人生をスタートさせた。

 高校生を指導する際は「生徒一人一人プレースタイルが違うので、それぞれの個性に合わせてアドバイスする」と自身のモットーを語る。十数年前は県内で高校6チームがしのぎを削っていたが、現在は合同を含めて3チームしかない。「指導する人材も減り、深刻な状況だ」とみる。

 一方で、八戸市が全国大会の開催地となることで、「地元の小中学生たちは、ハイレベルなプレーを間近で見ることができる。ぜひ生で見てくれれば、財産になるはず」と期待する。

 全国の高体連との連絡調整など、裏方として多忙な日々を送る白鳥さん。20日から全国一を懸けた戦いに挑む選手たちへ「選手たちが実力を最大限出せるよう、しっかりとサポートするので頑張ってほしい」とエールを送った。

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 <しらとり・ひろし 1983年生まれ。八戸市出身。根城中学校1年からアイスホッケー部でGKを務める。八戸商業高校時代、U-18、U-20の日本代表として世界選手権に出場。2006年3月に早大卒業後、日光アイスバックス(栃木県)でプロデビューし、3年間在籍。10年8月~13年3月、東北フリーブレイズに在籍。同4月、高校教諭に新採用され八戸商に赴任。17年4月から八戸工教諭>

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