1989年に発売されたアルバム・ベスト57:35年前に生まれた名盤たち

Janet Jackson - Photo: Michel Linssen/Redferns

ベルリンの壁の崩壊からコメディ・ドラマ『となりのサインフェルド』の放送開始といった事柄まで、1989年は文化の転換点となる重要な出来事がいくつも起きた年だった。そして音楽業界でも同じく、そのころに潮目が変わろうとしていた。

例えば、ヘア・メタル・バンドの一団が最後の輝きを放つ一方、ロック界の新たな潮流がそのポジションを奪おうとしていた。また、ヒップホップは一気にメインストリームへと進出し、電子音楽も世間に浸透し始めていた。そして、ニルヴァーナやデ・ラ・ソウルといった先駆的なグループが本格的にデビューを果たしたのもこの年。レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ナイン・インチ・ネイルズといったグループが出世作をリリースしたのもこの年のことだった。

他方でアルバム・チャートを賑わせていたのは、ボニー・レイット、ドン・ヘンリー、エアロスミス、ジャネット・ジャクソン、マドンナ、ビースティ・ボーイズといったジャンルも世代も大きく異なるアーティストたちだった。ここでは、私たちの選ぶ1989年の名作アルバムをランキング形式で紹介していこう。

____

 

56位:バリー・ホワイト『The Man Is Back!』

R&B界で精力的に活動し続けたバリー・ホワイトによる17作目のスタジオ・アルバム。彼は1990年代に華々しい復活を遂げることになるが、ソフィスティ・ポップとソウルが見事に融合した『The Man Is Back!』はその土台を築いた作品だったと言っていいだろう。

 

55位:リサ・スタンスフィールド『Affection』

UKのヴォーカリスト、スタンスフィールドのソロ・デビュー・アルバム。1980年代後半らしい洗練されたサウンドや、ヒップホップ、ダンス・ミュージックなどさまざまな音楽の要素も積極的に取り入れながら、一昔前のソウル・ミュージックを見事に蘇らせたアルバムである。

 

54位:ミート・ビート・マニフェスト『Storm The Studio』

電子音楽グループ、ミート・ビート・マニフェストが残した鮮烈なデビュー・アルバム。彼らはダブ、ロック、ヒップホップなどの要素を組み合わせ、サンプリング音源を駆使した政治性の強いダンス・ミュージックを作り上げた。その作風は、リリース当時には誰も聴いたことがないほどユニークだったのである。

 

53位:ドリー・パートン『White Limozeen』

カントリー界の大御所であるドリー・パートンが、気品に満ちた作風で復活を遂げた通算29作目のスタジオ・アルバム。そんな『White Limozeen』には、彼女の長いキャリアの中でも特に楽しさ溢れる楽曲がいくつも収録されている。

 

52位:ポール・マッカートニー『Flowers In The Dirt』

エルヴィス・コステロの助力も得て制作された、ポール・マッカートニーの8作目となるソロ・アルバム。マッカートニー (言うまでもなく元ビートルズのメンバーである) は、野心と情熱が感じられるこの『Flowers In The Dirt』で復活を果たし、ポップ界の巨人としての評価を確かなものにしたのだった。

 

51位:ブランフォード・マルサリス『Trio Jeepy』

ジャズ・サックス・プレイヤー、ブランフォード・マルサリスが1989年にリリースしたアルバム。ジェフ・ワッツがドラムを叩き、ミルト・ヒントンとデルバート・フェリックスという二人が曲によって入れ替わり、ベーシストを務める『Trio Jeepy』は、マルサリスの作品群の中でもとりわけ熱のこもった魅力的な作品である。

 

50位:アイス-T『The Iceberg/Freedom of Speech… Just Watch What You Say』

ロサンゼルスのラッパーであるアイス-Tが、社会のありようをディストピア的な世界観で描いた1989年のアルバム。『The Iceberg/Freedom of Speech… Just Watch What You Say』には、彼のキャリア屈指に痛烈でダークなトラックも収められている。

 

49位:マリーザ・モンチ『MM (マリーザ・モンチ)』

クラシックの世界で腕を磨いたシンガー、マリーザ・モンチのデビュー作となったライヴ・アルバム。ヒット・シングル「Bem Que Se Quis」を含む同作は、ブラジル国内で爆発的な人気を獲得。これをきっかけに、彼女は同世代を代表するシンガーとして認知されるようになっていった。

 

48位:モービッド・エンジェル『Altars Of Madness (狂える聖壇)』

フロリダのヘヴィ・メタル・バンド、モービッド・エンジェルのデビュー・アルバム。聴いたことのないほどダークな歌詞や、聴いたことのないほど高速のギター・リフで音楽シーンに衝撃を与えた『Altars Of Madness』は、デス・メタルのサウンドを根本から一変させた。

 

47位:ヴァーゴ『Virgo』

シカゴのハウス・ユニット、ヴァーゴが1989年に発表したデビュー作。神秘的で、内省的で、もやに包まれたようなそのサウンドは現在もまるで色褪せていない。質の良い音楽は時代に左右されないということを再認識させてくれるアルバムだ。

 

46位:ザ・ローリング・ストーンズ『Steel Wheels』

しばらくのあいだ互いに距離を取っていたミック・ジャガーとキース・リチャーズが、再び手を携えて制作したアルバム。そんな『Steel Wheels』は、「Sad Sad Sad」や「Rock And A Hard Place」など大衆受けするヒット曲が満載された作品だった。

 

45位:ザ・カルト『Sonic Temple』

ザ・カルトが1989年に発表した『Sonic Temple』は、サイケデリック・ミュージックからハード・ロックまで幅広いスタイルを取り入れたことが見事に奏功したアルバムだった。

 

44位:ファイン・ヤング・カニバルズ『The Raw & The Cooked』

ロック・バンド、ファイン・ヤング・カニバルズのラスト・アルバムにして、複数のジャンルを組み合わせるアプローチをノーザン・ソウルやディスコにまで広げた傑作。この『The Raw & The Cooked』からは「Good Thing」や「She Drives Me Crazy」をはじめ、実に多くのヒット・シングルが生まれている。

 

43位:テクノトロニック『Pump Up The Jam: The Album (今夜はパンプアップ)』

ベルギーのダンス・ミュージック・グループ、テクノトロニックのデビュー・アルバム。お馴染みの表題曲「Pump Up The Jam (今夜はパンプアップ)」を含む同作は、ヒップ・ハウスというジャンルを世界に知らしめることになった。

 

42位:ベイビーフェイス『Tender Lover』

R&B界きっての有力者であるベイビーフェイスの2ndアルバム。「Whip Appeal」「It’s No Crime」、そしてタイトル・トラック「Tender Lover」といったヒット曲を含むこの作品で、彼はコンテンポラリー・R&Bというジャンルの注目株となったのである。

 

41位:グロリア・エステファン『Cuts Both Ways』

ラテン・ポップ界の女王のデビュー・ディスクとなった『Cuts Both Ways』は、まさに一石二鳥のアルバムだった。つまり同作は、ノリの良いダンス・ナンバーや感動的なバラードを堪能できる秀作でありながら、それと同時に、彼女をスペイン語圏以外の人びとをも魅了する世界的なポップ・スターへと飛躍させたのである。

 

40位:サウンドガーデン『Louder Than Love』

グランジ・バンドのサウンドガーデンをローカル・ヒーローというポジションから世界的な有名グループへと変貌させた2作目のスタジオ・アルバム。このアルバムによって、アメリカの太平洋岸北西部はロック界の最前線とみなされるようになったのだ。

 

39位:インナー・シティ『Paradise』

パリス・グレイとケヴィン・サンダーソンの二人がインナー・シティ名義で発表したデビュー・アルバム。不朽のヒット曲「Big Fun」1曲に既に明らかな通り、インナー・シティはデトロイトの電子音楽シーンの長所を活かしてダンス・ポップ・サウンドの傑作を作り上げたのだった。

 

38位:UB40『Labour Of Love II』

ポップ・レゲエ・グループ、UB40の1989年の作品で、全編がカヴァー曲のみで構成されていた。この『Labour Of Love II』はアル・グリーン、テンプテーションズ、シャイ・ライツなどの楽曲に、新たな彩りや風合いを加えた1作になっている。

 

37位:808ステイト『90』

UKのグループである808ステイトの2ndアルバムは、90年代の電子音楽ブームを方向付ける作品の一つになった。この作品があったからこそ、イギリスは同ジャンルにおける重要拠点となったのである。

 

36位:ビッグ・ダディ・ケイン『It’s A Big Daddy Thing』

ラップ界のパイオニアであるケインの創造性が頂点に達した2ndアルバム。彼はこの作品でニュー・ジャック・スウィングのサウンドなどを取り入れるとともに、自らの性生活における武勇伝から学校教育を受け続けることの利点まで幅広いテーマを取り上げている。

 

35位:XTC『Oranges & Lemons』

XTCの1989年作は、風変わりな装飾や、賑々しいアレンジ、奇抜な効果音などが満載のとことん派手なサイケ・ポップ・アルバムである。

 

34位:セパルトゥラ『Beneath The Remains』

ブラジルのヘヴィ・メタル・バンド、セパルトゥラによる3作目のスタジオ・アルバム。取っ付きやすいグルーヴでジャンルに新風を吹き込んだこの『Beneath The Remains』は、彼らが国際的に知られるきっかけにもなった。

 

33位:スキッド・ロウ『Skid Row』

メタル・バンド、スキッド・ロウのデビュー・アルバム。セバスチャン・バックによる歌唱が印象深い同作は、「18 And Life」や「I Remember You」といったヒット曲が収録されていることも助けとなって大きな成功を収めた。

 

32位:チタンス『O Blesq Blom』

ブラジルのロック・バンド、チタンスによる5作目のスタジオ・アルバム。ラクダのこぶについて真剣に考察した楽曲から病的な不安感を題材にしたものまで、極めて幅の広いアート・ロック作品だ。

 

31位:ボブ・ディラン『Oh Mercy』

プロデューサーを務めたダニエル・ラノワの見事な手腕もあり、ボブ・ディランの1989年作『Oh Mercy』は彼のキャリアを再び活性化する1作となった。また、同作からは「Most Of The Time」や「Everything Is Broken」など、そのキャリアを代表する人気ナンバーも生まれた。

 

30位:ジョン・クーガー・メレンキャンプ『Big Daddy』

メレンキャンプが1989年に発表した内省的な1作。彼はフォーク・ミュージックに特徴的な”真実を語る”という手法を発展させ、これまでの彼のキャリアにおいてもっとも率直かつ痛ましい内容のアルバムを作り上げた。

 

29位:クール・G・ラップ&DJポロ『Road To The Riches』

型破りやサンプリング、次々に繰り出されるリリック、そして力強いパーカッションが完璧に調和した、ヒップホップ・デュオのデビュー作。この作品で彼らは一躍、注目を集めるようになった。

 

28位:ニルヴァーナ『Bleach』

言わずと知れたグランジ・バンドのデビュー作にして、彼らの作品の中でもとりわけ怒りと気概に満ちたアルバム。のちに彼らは文化そのものに変革をもたらす存在となるわけだが、この『Bleach』にもその片鱗が見て取れる。

 

27位:ブギ・ダウン・プロダクションズ『Ghetto Music: The Blueprint Of Hip-Hop (ゲットー・ミュージック〜ヒップ・ホップの青写真)』

反商業主義を唱えるBDPの1989年作は、混じり気のない純粋なヒップホップを求める人にとって 理想的なアルバムだった。その根幹を成しているのは、一切の装飾を排したトラックに乗せられるKRS・ワンの痛烈なリリックである。

 

26位:ドン・ヘンリー『The End Of The Innocence』

イーグルスのドラマーであるヘンリーのソロ作『The End Of The Innocence』は彼の成熟した一面が表れた1作であり、アメリカ国内だけで600万枚を売り上げるなど大ヒットを記録した。

 

25位:ジョージ・ストレイト『Beyond The Blue Neon』

カントリー・チャートで1位になった曲を三つも含む、カントリー・シンガーのストレイトによる9作目のスタジオ・アルバム。足を踏み鳴らしたくなるダンス・チューンから物悲しいバラードまでを含む『Beyond The Blue Neon』には、誰だって好みの曲が一つは見つかるはずだ。

 

24位:フェイス・ノー・モア『The Real Thing』

革新的なサウンドを鳴らすロック・バンドとして知られるフェイス・ノー・モアが、シンガーのチャック・モズレーを解雇したあと初めて制作したアルバム。彼らはリスクを伴う賭けに出たわけだが、土壇場で加わったマイク・パットンの素晴らしいパフォーマンスのおかげで同作は大成功を収めた。

 

23位:EPMD『Unfinished Business』

ヒット・シングル「So Wat Cha Sayin’」を含む、ヒップホップ・デュオ、EPMDの2ndアルバム。同作ではラップに対する気取らないアプローチにいっそう磨きがかかったが、この作風は彼らのあとに続く無数のアーティストに影響を与えることとなった。

 

22位:ゴッドフレッシュ『Streetcleaner』

メタル・バンド、ゴッドフレッシュのデビュー作は、この上なく不穏で無機質なアルバムだった。身の毛のよだつような歌詞とおどろおどろしいサウンドが、その大きな特徴である。

 

21位:ジョディ・ワトリー『Larger Than Life』

ポップ・シンガーであるワトリーの2ndアルバムには、ヒット・シングルの「Real Love」や、エリック・B&ラキムを迎えることでR&B界とヒップホップ界の素晴らしいコラボが実現した「Friends」などが収録されている。

 

20位:ケイト・ブッシュ『The Sensual World』

代表曲「This Woman’s Work」を含む、ケイト・ブッシュによる6作目のスタジオ・アルバム。愛についてあらゆる側面から考察した内容だが、俯瞰的な視点をとることで、感傷的になり過ぎることもうまく防いでいる。

 

19位:ルー・リード『New York』

ルー・リードによるソロ15作目のスタジオ・アルバムにして、ニューヨークという街を題材にした作品の中でトップクラスの完成度を誇る傑作。細かい描写や独特な登場人物の数々に彩られた同作は、彼が”眠らない街”にオマージュを捧げたほろ苦い1作である。

 

18位:ニュー・オーダー『Technique』

ダンス・ロック・バンドのニュー・オーダーが、イビサ島の快楽主義的なパーティー文化からも影響を受けつつ制作した5作目のスタジオ・アルバム。彼らの持ち味である内省的な歌詞はそのままに、アシッド・ハウスやバレアリック・ビートに独自の解釈を加えた1作である。

 

17位:レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Mother’s Milk (母乳)』

ロック・バンドのレッド・ホット・チリ・ペッパーズが、ファンクやラップの要素を組み合わせて作り上げた出世作。同作でグループはアングラ・シーンからメインストリームへと飛躍するとともに、それ以降彼らが歩み続けることとなる独自路線を確立した。

 

16位:トム・ペティ『Full Moon Fever』

トム・ペティがジェフ・リンと手を組んで制作したソロ・デビュー作。ペティがハートブレイカーズの面々とともに完成させたサウンドを、心踊るような新たな高みに押し上げた1作である。

 

15位:ニール・ヤング『Freedom』

ニール・ヤングがこれ以前の数年間に発表した作品はどれも、手放しには喜べない”それなりの”成功に終わっていた。このアルバムはそんな彼が完全復活を遂げ、確固たる信念を持つフォーク・ロック界のレジェンドとして時代の最前線に返り咲いた1作である。

 

14位:モトリー・クルー『Dr. Feelgood』

ヘヴィ・メタル・バンドであるモトリー・クルーの面々が、薬物やアルコールを断ったあとで制作した5作目のスタジオ・アルバム。結果として彼らの強力なカムバック作となった『Dr. Feelgood』は、セールス面でもグループ史上屈指の成功を収めた。

 

13位:ネナ・チェリー『Raw Like Sushi』

ヒット曲「Buffalo Stance」を含む、非凡なスウェーデン人アーティストのデビュー作。フェミニズムを堂々と前面に押し出した歌詞と、ポップ、パンク、ヒップホップを融合させた鮮烈なサウンドで世界から注目を浴びた1作である。

 

12位:ストーン・ローゼズ『The Stone Roses』

ロック・バンドであるストーン・ローゼズのデビュー・アルバム。ロック、ポップ、ダンス・ミュージックの要素を見事に組み合わせたそのサウンドは、当時のマンチェスターの音楽シーンを象徴するものだった。

 

11位:エアロスミス『Pump』

「Janie’s Got A Gun」等々のヒット曲を含む、大物ロック・バンドの1989年作。彼らの復活を印象付けるとともに、年齢を重ねるごとに作品の味わい深さが増していくバンドも存在することを世間に示したアルバムだ。

 

10位:ボニー・レイット『Nick Of Time』

プロデューサーにドン・ウォズを迎えて制作されたボニー・レイットの復活作。ヒットを記録したタイトル・トラック「Nick Of Time」を筆頭に、彼女のキャリア屈指のストーリーテリングを堪能できる楽曲がいくつも収められている。

 

9位:マドンナ『Like A Prayer』

ポップ界の女王が多様なスタイルを取り入れて完成させた4作目のスタジオ・アルバム。彼女は大ヒット曲「Like A Prayer」を含む同作で、流行に”乗る”のではなく流行を”作り出す”アーティストとして確かな地位を築いた。

 

8位:ナイン・インチ・ネイルズ『Pretty Hate Machine』

リリース時に大きな評判を呼ぶことはなかったものの、トレント・レズナーが1989年に発表したアルバムの人気は、時間をかけてゆっくりと上昇していった。ギターやシンセサイザーの斬新な使い方が注目されたことで、少しずつ熱烈なファンが増加していったのである。

 

7位:ピクシーズ『Doolittle』

ロック・バンドのピクシーズによる2ndアルバムは、風変わりで、ときとして恐ろしさすら感じる1作だった。しかしながら『Doolittle』は、ニルヴァーナのカート・コバーンをはじめ、のちにロックスターへと成長する数々のミュージシャンに影響を与えたのである。

 

6位:ソウル・II・ソウル『Club Classics Vol. One (キープ・オン・ムーヴィン)』

さまざまなアーティストに影響を与えたイギリスのグループのデビュー・アルバム。ヒップホップ、ファンク、R&Bなどの要素を融合させた同作の複合的なポップ・サウンドは、90年代前半のイギリスにおけるブラック・ミュージックのトレンドになった。

 

5位:The B-52’s『Cosmic Thing』

ニュー・ウェーヴ・バンドのThe B-52’sが、ドン・ウォズとナイル・ロジャースをプロデューサーに迎えて制作した見事なカムバック作。大ヒット曲「Love Shack」を含む収録曲は名曲揃いで、捨て曲は一つとして存在ない。

 

4位:ジャネット・ジャクソン『Janet Jackson’s Rhythm Nation 1814』

ポップ界を代表するアーティストであるジャネット・ジャクソンによる、政治色の濃いコンセプト・アルバム。この作品で彼女は、ダンスフロアに倫理観を持ち込んでもいいのだということを世間に示した。

 

3位:デ・ラ・ソウル『3 Feet High And Rising』

オルタナティブ・ヒップホップの先駆者たちによるデビュー・アルバム『3 Feet High And Rising』は、一つのジャンルの誕生に繋がったといえる。突飛な考えや気の抜けた自己分析が次々に展開される同作は、従来のヒップホップ界のヒット作にはあり得なかったような1作だったのだ。

 

2位:ザ・キュアー『Disintegration』

うつ病に苦しんだ経験をヒントに、以前の作品にもあった陰鬱さをどこまでも増大させたザ・キュアーの1989年作。結果として誕生したのは、誠実さと真心に満ちた、極めて完成度の高いアルバムである。

 

1位:ビースティ・ボーイズ『Paul’s Boutique』

ヒップホップ・グループ、ビースティ・ボーイズの2ndアルバムにして、”サンプルデリア”のジャンルを代表する人気作。革新的なサウンドの宝庫であり、ヒップホップにおけるトラック制作の可能性を爆発的に広げた同作は、現在に至るまで無数のプロデューサーたちに影響を与え続けている。

Written By Sam Armstrong

© ユニバーサル ミュージック合同会社