東京で「OKINAWAまつり」 父の遺志継ぎ5年ぶり開催へ ディアマンテスなど沖縄アーティスト出演

ヤンバルクイナをあしらったロゴマークを披露し、県内企業の出店を呼びかける保母海里風さん=19日、県庁

 東京で沖縄の音楽や飲食を楽しむイベント「OKINAWAまつり2024」が5月18、19の両日、東京・代々木公園で開かれる。同実行委員会が19日、県庁で会見し発表した。2012年に始まったまつりは、新型コロナウイルスの影響で20年から中断。その間、イベントを立ち上げた実行委員長が急逝し、旗振り役がいなくなったが、長男が遺志を引き継ぎ再開を決めた。(社会部・榧場勇太、末吉未空)

 まつりを立ち上げたのは、テレビドラマやEXILEなど有名アーティストの音楽ビデオの演出家だった故保母(ほぼ)浩章さん(享年61)。東日本大震災後に沖縄を訪ねた際、ストリートライブを楽しむ人たちの笑顔を見て感動し、「沖縄の人々の笑顔で東京を明るくしたい」と考えた。

 私財を投じたまつりは、代々木公園で12年からスタート。沖縄の実力あるアーティストのステージを無料で楽しめるとあって人気は高まり、規模は年々拡大。19年には25万人(主催者発表)が参加するイベントに成長した。

 だがコロナの感染拡大で、20年から中断。21年、保母さんががんで急逝した。長男の海里風(かりぶ)さん(32)によると、保母さんは病床でもまつりの開催計画を練り、実行委のメンバーと連絡を取り合っていたという。

 今回、保母さんの遺志を継ぎ、海里風さんが実行委員長を務めることになり、再開を決めた。容体が急変して亡くなったため、ほとんど引き継ぎもなく当初は困惑したが「父が生前に言い残した『OKINAWAまつりを100年続くイベントに育てたい』との思いを受け継ぎたい」と力を込める。

 今回はきいやま商店、D-51などの他、ディアマンテスやかりゆし58が初参加する。さらに、企業の出店ブースを拡大する予定だ。海里風さんは「これまで参加したことのない県内企業や商店、自治体にも出店を呼びかけたい」と話す。

 出店企業の募集は2月頃、ホームページで詳細を発表する予定。

© 株式会社沖縄タイムス社