コシノジュンコさんがデザイン 和歌山・熊野本宮大社の御朱印帳、世界遺産20周年で

世界遺産登録20周年を記念して御朱印帳をデザインしたコシノジュンコさん(左)と九鬼家隆宮司=16日、和歌山県田辺市本宮町で

 世界的なデザイナー、コシノジュンコさんが、7月に迎える世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録20周年を記念し、和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社の御朱印帳をデザインした。世界平和への願いを込め、表紙に「導きの八咫烏(やたがらす)」を表現。本宮大社では、世界遺産の維持などに役立ててもらうため初穂料の一部を寄付することも計画しているという。

 コシノさんは大阪府岸和田市出身だが和歌山好きとして知られ、世界遺産登録15周年を機に県が設立した「高野山・熊野を愛する100人の会」にも参画。同じ「100人の会」のメンバーでもある九鬼家隆宮司が「コシノ先生の芸術的な視点と世界的な影響力を生かすことで、世界平和や環境問題への思いをより広く伝えたい」などとして協力を呼びかけたという。

 御朱印帳(縦16.5センチ、横22.5センチ)の表紙は光沢のある絹などの織物で制作されており、黒地の中央に翼を広げた白い姿で熊野の神の使いとされる八咫烏をデザイン。中には「全世界の平和・人々の平穏を願い、ここに八咫烏を刻む」などというコシノさんのメッセージなども掲載している。

 九鬼宮司は「世界遺産の原点は平和を願うこと。コシノ先生の八咫烏によって皆さんで平和を共有できれば」。コシノさんも「御朱印帳をデザインするのは初めて。デザインの力で、八咫烏がもっと羽ばたけるのではないか。平和のために世界に羽ばたいてほしい」と話している。

 2月3日から社頭で授与する予定で、初穂料は8千円。郵送も可。問い合わせは熊野本宮大社(0735.42.0009)へ。

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