肩を組み、目を閉じる。円陣のそれぞれのジャージーに刻まれた深いしわは、つかんだ拳に力がこもった証し。選手たちの強い気持ちがにじみ出ている。
ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で14日にあったラグビー・リーグワン1部の神戸-東京ベイ戦。キックオフ直前、両チームの選手と観客が、能登半島地震の犠牲者らに黙とうをささげた。
近年、神戸は阪神・淡路大震災が起きた1月17日の間近に開催するホームゲームの会場で、震災に関するメッセージビデオを流してきた。今回は元日の地震を受け、北陸への連帯を訴える内容に急きょ差し替えたという。
29年前の被災から、復興の道がいかに険しかったか。一人一人を一つに結んだ輪に込めた思いがある。1.17の神戸から能登へ。「がんばろう、ともに」(中西幸大)