極寒が育むうまみ 酸ケ湯温泉(青森市)で凍み豆腐作り

氷点下の中で行われた凍み豆腐作り体験。豆腐のパックをつるしていく参加者ら=20日午前、青森市の酸ケ湯温泉

 一年で最も寒い時期とされる「大寒」の20日、青森市の酸ケ湯温泉で厳冬期の風物詩、凍(し)み豆腐作りが行われた。

 八甲田の標高925メートルに位置する同温泉は同日午前、積雪253センチ、最低気温氷点下7.9度と厳しい寒さ。この日は宿泊客などが参加する体験会と試食会も行われた。

 駐車場の一角に作られた干し場で、従業員と宿泊客らがゴム手袋をはめて作業。木綿豆腐のパックにナイフで切れ込みを入れ、手際よく1500丁をワイヤにつるしていった。凍み豆腐は一晩、極寒の外気にさらされ水分が抜けてうまみを増していく。

 参加した弘前市の国際交流員李佳慧(り・かけい)さん(28)は「凍み豆腐の作り方を初めて知った。豆腐にできたつららが寒そうだった」と話し、作業後は凍み豆腐を使った湯豆腐やじゃっぱ汁を堪能した。

 「酸ケ湯凍み豆腐」は湯葉のような食感と優しい素朴な味が特長。2月上旬から同温泉売店などで販売する。

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