稲田朋美氏はキックバック、派閥収めない未精算金が計196万円 2018年~22年 返還の考え示す

自民党本部に入る稲田朋美氏(左)=1月19日午後4時50分ごろ、東京都永田町

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、同党安倍派(清和政策研究会)の稲田朋美事務総長代理(衆院福井1区)が、販売ノルマを超え派閥から還流された分の政治資金収支報告書への不記載額が2018~22年の5年間に計82万円あり、派閥に納めない「中抜き」の形で事務所の口座に残っていた未精算金も114万円あることが1月19日分かった。

 稲田氏は福井新聞の取材に「裏金や中抜きの意識はなかったが、政治資金を扱う緊張感が欠けていた。管理不行き届きと、政治資金規正法の理解不足を深く反省している」と謝罪。合計196万円を派閥に返還する考えを示した。

⇒高木毅氏、キックバックの金額示さず

 稲田氏によると、自身のノルマは年450万円で常態的に達成できない状態にあり、18、19年は不足分計235万円を自ら補塡(ほてん)した。20~22年は新型コロナウイルス禍でノルマが引き下げられたこともあり、ノルマを上回る売り上げがあったという。派閥からの還流分の入金や、パーティー券購入者からの入金などの確認は秘書が行っており、自身は今回初めて知ったとしている。

 山崎正昭参院議員側は、4万円程度の還流があったとの報告を安倍派から受けたことを明らかにした。安倍派の政治資金収支報告書の訂正に合わせ、自身の報告書を訂正する。山崎氏は、政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分の還流を受けたとの認識はないとし「秘書に適切に修正するよう対応を指示した」と述べた。滝波宏文参院議員は「いわゆるキックバックはなかった」とし、関連する政治資金収支報告書訂正の予定はないとした。

© 株式会社福井新聞社