石川と福井、大きさ逆転? 地震で海岸線隆起

地震の影響で隆起した海岸=14日午後4時、輪島市門前町の皆月海岸

 能登半島地震により、珠洲市から志賀町にかけての海岸線が隆起したことで、石川県の大きさが一時的に福井県を上回った可能性があることが、関係者への取材で分かった。

 国土地理院(茨城県つくば市)によると、昨年10月1日時点の面積は石川県が4186.20平方㌔、福井県が4190.54平方㌔で、福井県の方が4.34平方㌔大きい。日本地理学会の調査グループが地震前の国土地理院の地形図と地震後の衛星画像などを分析した結果、能登半島全域の調査範囲内で約4.4平方㌔の「陸化」が確認され、両県の面積の差をわずかに上回った可能性がある。

 同学会の後藤秀昭・広島大大学院准教授(地理学)によると、約4.4平方㌔は現在の河北潟ほどで「それなりの大きさ」といい、地震の規模を物語る。今後、海岸線は浸食により元の位置に戻ろうとし、陸化面積は今調査より小さくなる見通し。国土地理院の調査は満潮時に行うため、単純比較できないとしながら「日本列島は隆起、沈降が活発で、今回のような地震を繰り返して形成されてきた。歴史の一コマを見ているようだ」と指摘した。

 同学会の調査では、地震の隆起などにより能登半島の約90㌔にわたって海岸線が前進し、輪島市門前町黒島町付近で最大約240㍍の前進が確認された。

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