猫に危険な『アレルギー』3選 最悪命を落とすことも…知っておきたい症状や対処法

1.食物アレルギー

『食物アレルギー』とは、特定の食材を食べたときに起こるアレルギー反応のことです。主な症状は強いかゆみで、体を掻く、しきりに舐める、噛むなどの行動をとります。

牛肉や鶏肉、魚、乳製品、穀物類など、原因となる食材は多岐にわたるため、食物アレルギーの改善には、どの食材にアレルギー反応を示しているかを特定する必要があります。

具体的な治療方法は『食物除去試験』が一般的です。食物除去試験とは、血液検査によってアレルギーの原因と疑われる食材を絞り込み、その食材を取り除いた食事を一定期間与え、アレルギー反応の有無を確認する方法です。

ただしこの方法は、アレルギー食材を特定するまでに長期間かかる可能性が高いです。また原因を特定するまでは決められたごはんを与える必要があり、アレルゲン検査と異なり、ある程度の可能性としてアレルゲンを完全に特定することにはつながらない場合もあります。

そのため、愛猫はもちろん、ご家族にも相当な覚悟が必要であることを理解しておきましょう。

なお、誤った方法で行うと、他の健康被害を引き起こす可能性もあるため、獣医師の指導に従って実践することが大切です。

2.ノミアレルギー性皮膚炎

『ノミアレルギー性皮膚炎』とは、ノミの唾液に反応して起こるアレルギー反応のことです。強いかゆみや皮膚の炎症が起こり、激しく掻きむしったり舐めたりして、脱毛が見られることもあります。

他の皮膚疾患とよく似ており、症状だけでノミアレルギー性皮膚炎を判断するのは難しいです。動物病院で細かく検査する必要があるため、まずは獣医師に相談してみてください。

動物病院では、ノミの駆除とかゆみや炎症を抑える治療が最優先で行われます。長期的な皮膚ケアが必要になる場合もあるため、愛猫の皮膚や行動に異変を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。

3.アトピー性皮膚炎

『アトピー性皮膚炎』とは、自身の免疫機構の問題で皮膚に赤みやかゆみがあらわれる疾患のことです。慢性的なかゆみがあるため、皮膚を引っ掻いて脱毛してしまうこともあります。

主な治療は、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤の投与、免疫抑制剤の使用、生活環境の改善など多岐にわたります。症状が治っても再発しやすい病気で、完全に治癒するのは難しい場合が多いです。

とはいえ、適切な治療と継続的なケアによって症状の改善に近づけることができます。アトピー性皮膚炎が疑われる場合は、できるだけ早めに動物病院を受診するようにしましょう。

アナフィラキシーショックで命の危険も…

アレルギーが重度の場合、「アナフィラキシーショック」を引き起こす可能性があります。アナフィラキシーショックとは、特定のアレルゲンに対する急激な過剰反応のことで、猫の命に関わる重大な症状です。

ワクチンや抗生物質の接種による副反応や、ハチの毒によるアレルギー反応が一般的な原因ですが、食物アレルギーが引き金になる可能性もあります。

初期症状では「顔が赤く腫れる」「蕁麻疹がでる」「下痢・嘔吐」などが見られ、数分から数十分後には「呼吸困難」や「意識障害」などの重篤な状態となることもあります。

アナフィラキシーショックの対処法としては、1秒でも早く動物病院を受診することです。迅速に処置をしないと愛猫の命にも関わるため、様子を見たり、応急処置をしようとせずにすぐに動物病院へ連れて行ってください。

まとめ

猫のアレルギーにはさまざまな種類があり、皮膚のかゆみや赤みなどの症状があらわることが多いです。なかには命に関わる症状もあるため、愛猫の体に異変を感じたらすぐに動物病院を受診することが大切です。

原因の特定には時間や費用がかかるかもしれませんが、根気強く治療を続けることで症状を軽減することができます。猫のアレルギーについての正しい知識を身につけ、愛猫の健康な生活をサポートしてあげてくださいね。

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