意外に陥りやすい…「好きなタイプがわからなくなる病」その原因と注意点

これまで2万人以上の女性の恋愛や婚活を取材してコラムや小説、ルポを書いてきた筆者ですが、最近はタロット鑑定士として様々な女性たちの手助けをしています。

今回、女性たちの気になるいくつかの悩みの中で、過去に私自身も経験したことがあるちょっと気をつけたいものがありました。

それは「好きなタイプがわからない」。

恋愛経験が少ない女性だけの悩みと思われますが、実は複数の恋愛経験をしたことがあり、男性のことをある程度知っているはずの女性たちがこの悩みを解決できなくなっていました。

さらにその結果、結婚願望のある女性たちは良縁から遠ざかるだけでなく、とんでもない方向へと婚活を進めていることに危惧感を覚えています。

これは恋愛が招いた一種の病かもしれません。

私もかかったことのある「好きなタイプがわからなくなる」病を紐解きながら、解決策を探っていきましょう。

「好きな男性のタイプがわからない…」その原因と解決方法

1.過去の恋愛のトラウマが原因のケース

「好きなタイプがわからなくなる」理由としてダントツに多いのが、過去の恋愛のトラウマです。

これは私の例になりますが、小説家としてデビューした頃、「プロデューサーのような人が良い」と思ったものです。

というのは小説を書くということは、感性や描写力を錬磨しながら執筆をすること。同時に自分の繊細さを守らなければなりません。

そのため「周囲との連携が取れるようなコミュニケーション能力に優れ、またプレーヤー(執筆家である私)の繊細さを理解してくれる人」を好きなタイプに挙げたのです。

それから2年後。私はあるアーティストのプロデューサーを好きになり、救いようのない失恋をしたと感じました。その時、友達が慰めてくれたのは「プロデューサーに憧れていたからよ」という一言だったのです。

好きなタイプに縛られていたのか、それとも好きなタイプにがっかりしたのか。

どちらともいえるかもしれませんが、それがトラウマとなった私は「好きなタイプがわからない」という病になってしまい、「好きなタイプは?」と聞かれるたびに「優しい人」とありきたりに答えていました。

でも時が流れていくと、彼との恋愛は私だけが悪いのではなく、彼自身にも問題があったと気づいたのです。

そして自分を責めるのをやめたら、再び好きなタイプがわかってきました。それは「周囲との連携が取れるようなコミュニケーション能力に優れ、私の繊細さを理解してくれる人」です。

なんだ、また同じタイプの男性じゃないか、と思われるかもしれませんが、失恋したあの男性は私の好きなタイプではないと気が付いたのです。プロデューサーという職業の人が、私の「プロデューサータイプ」とは限らないことがわかったのです。

時間って凄いですね!自分の中で彼に対する気持ちが発酵して妄想に発展していったのではなく、冷静に客観的に彼という人間が見えたのですから。

このように「好きなタイプがわからない」のは、過去の恋愛で辛い目に遭ったあまり、好きなタイプを封印してしまったことが原因かもしれません。

具体的な解決法

過去の「好きなタイプ」を紙に書き出してみましょう。

もし忘れてしまったら、過去の恋愛の相手のタイプを書き出してみる。共通していたら、それが「好きなタイプ」です。

その男性たちとの関係を思い出して、それを紙に書いてみましょう。辛い出来事を封印していたとわかったら、そのタイプを再び好きになるか、あるいは真逆なタイプを探すのかを、見極めることが大事ですね。

もし混乱したら、信頼できる友達に聞いてもらいながら気持ちを整理するか、カウンセラーなど専門家に相談すると良いでしょう。

2.仕事や人間関係でプレッシャーを感じている

ある外資系勤務のアラフォー女性は、恋愛から遠ざかっていました。仕事が一段落したので、婚活に励もうとしましたが「好きなタイプがわからない」と結婚相談所に入会。ところがオファーがくるのは10歳以上年上の男性からばかり…。「50代のおじさんとデートしても、おじさんは結婚を決めません」と嘆く日々。

50代のおじさんは結婚する気がなく、ただ自分より10歳以上若い女性とデートをしたいだけかもしれません。これではアラフォー女性の時間がもったいないです。

「好きな人がわからない」というのは、知らず知らずのうちに、仕事に対するプレッシャーが大きくなったあまり、好きなタイプすら忘れてしまったのかもしれませんね。

人は人生の中で、恋愛や婚活、結婚よりももっと他のことを大事にしなければならない時期があります。彼女の場合は、仕事で自分の居場所を作っていくことだったのでしょう。

一生懸命に仕事に専念し、自分のポジションを確保した彼女は、後回しにしていた自分の恋愛を取り戻そうとしたのですが、恋愛という感覚を思い出せなくなってしまったのです。

解決策は?

まず過去の恋愛を思い出しましょう。紙に書き出してみるのです。

いつ、誰と、どこで知り合って、どのように恋愛に発展し、お互いに惹かれ合ったのか、そのことを思い出しながら、過去の記憶をたどってみる。

すると、「彼のような人がタイプだった」と気づくかもしれません。あるいは「彼とは別の人がいいとあの時思ったはず」と、過去の恋愛から気づくことがあるはずです。

同時に、自分の恋愛の癖もわかってくるでしょう。

もし一人で探り当てるのが難しいのなら、友人など周りの人の力を借りて共に記憶を掘り起こしてみましょう。

3.家族に振り回されている

家族に振り回されて、恋愛する余裕がないという人もいます。

Aさんは「特にタイプはなくて、普通の人がいい」と好き嫌いがないから、早く結婚できると思っていました。ところが30歳を超えても、本当の恋に巡り合えず焦りだします。

彼女から悩みを聞いているうちに、父親恐怖症だということがわかってきました。

「父親から『お前は長女だから、弟や妹の手本にならなければならない』と小さい頃から叱咤され、厳しく育てられました。だから父親のプレッシャーが大きく、付き合う男性を父親に紹介できず、そのうちに自然消滅してしまうケースが続きました」

解決策は?

父親が怖かったら、父親とは反対の優しくて自由にさせてくれるような男性が良いはず。また父親恐怖症の女性は、かなり年上と付き合うのは少し無理かもしれません。

Aさんには、気を遣う男性だと一緒にいても疲れてしまうので、年下か同じ年位の男性が良いとアドバイスしたら、半年後に妹さんから紹介された同じ年の男性と付き合って、一年後にゴールインしたのです。

ほかにも両親の離婚で苦労したことがあるなど、家族関係に振り回されると、恋愛に対して積極的になれなかったりします。

そんな時は無理をしないで、流れのままに任せ、目の前のことに一生懸命になっていると、ひょっこりと良縁の人が現れることもありますよ。

4.恋愛より楽しいことを沢山知っている

「必要は発明の母」というように、恋愛が必要ない人は、向こうから良縁が巡ってくることがほとんどない傾向があります。

とはいえ、一生ひとりは寂しいと感じる人も少なくないはず。

恋愛より楽しいことを沢山知っている人は次のような恋活や婚活をお勧めします。

解決方法

「一人より二人のほうが楽しい」と考え方をシフトして、趣味や打ち込んでいることの中から、仲間意識やシンパシーを感じる人を候補に挙げてみましょう。

あるアラサー女子は、家族のことや将来のことを心配しがちで自分のことを「ネクラ」と感じていたそうです。恋愛がうまくいかないのもそのせいだと思い込んで、ひたすらゲームに没頭していたある日、30代の男性や、40代アラフォー男性とゲームを通じて知り合います。それをきっかけにリアル飲み会に参加して、親交を深めていったら、なんと2人から告白されて、困ったそうです。

結局、別のゲーム仲間の男性と付き合うことになったのですが、その男性のおかげで、前よりもくよくよ考えることが少なくなったそうです。

5.好きになるより好かれると楽だから

男と女の駆け引きという世界では、王道の考え方かもしれませんが、好かれるようにしようとすると疲れてきて、自分の好みがまったくわからなくなってくることも…。

最悪の場合、嫌いなタイプと結婚してしまうかもしれません。

解決方法

「好かれると楽」という考え方の根底にあるのは、「自分から告白したくない」「相手から愛された方が優位に立てる」といった、自分本位で恋愛を進めたいという表れです。理由はおそらく傷つきたくないからでしょう。

でも相手に合わせるなど、ムリなことをしていると限界が必ずやってきます。駆け引き上手と自信があっても、ムリな恋愛は長続きしません。

嫌なことをしないと決めることで、誰が一番好きなのかがわかってきますよ。

まとめ

・「好きなタイプがわからない」のは、過去のトラウマや仕事のプレッシャー、人間関係の疲れから、恋愛に後ろ向きになっていることが原因
・信頼できる友人や専門家などに、自分の気持ちを整理することを手伝ってもらう
・結婚相談所は条件ありきで相手を探す場なので、「好きなタイプがわからない」場合は、婚活に最も向いていない
・趣味が同じ人の中から複数の候補を挙げてみる
・好かれようとするあまり、ムリが生じる。嫌なことをしないと決める勇気も大事

(mimot.(ミモット)/ 夏目 かをる)

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