〈1.1大震災〉珠洲の44人、富山到着 広域避難開始、4日間で150人

珠洲市から2次避難所のホテルに到着した避難者=富山市内

 能登半島地震で甚大な被害を受けた珠洲市の被災者の富山市への広域避難が20日、始まった。初日は珠洲市大谷地区の44人が2次避難所の富山市内のホテルに到着した。石川県からの要請を受け、被災者を富山県内の2次避難所で受け入れるのは初めて。富山市は4日ほどかけて計約150人を同じホテルで受け入れる予定。

 初日の避難者は9~91歳で、珠洲市の道の駅すずなりで健康チェックを受け、正午ごろにバスと自家用車で出発。午後5時50分ごろにホテルに着いた。避難者は長期の避難所生活と長旅に疲れをにじませながらも、ほっとした表情を浮かべた。

 富山市職員がホテルでの過ごし方を説明し、保健師が長時間の移動で体調が悪くなっていないかなどを確認した。市は避難者の滞在中、職員や保健師を配置し、健康チェックや衣類など生活物資の提供を行う。ホテル内に避難者同士が交流できるスペースや、珠洲市の被災者支援などの情報を伝える掲示板も設けた。受け入れ期間は未定。

 富山市に移動予定の約150人は一時孤立した集落などの住民。石川県によると集団での2次避難の希望があり、同県内に150人規模を受け入れられる施設が少なくなっているため、18日に富山県を通じて富山市に受け入れを要請した。

 石川県は富山県内の旅館やホテル47施設を2次避難所として登録しており、受け入れ可能な人数は最大1398人。今後も富山側に受け入れを要請する可能性があるとしている。

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