〈1.1大震災〉高岡、復旧の前線基地に 能越道で能登入りしやすく

被災地支援の車両。高岡が前線基地となっている=高岡市営駐車場

  ●医療、行政関係者で市内ホテル、予約埋まる

 能登半島地震の復旧のため駆け付けた全国の自治体や電力会社の関係者が高岡市を前線基地にするケースが相次いでいる。能越自動車道で七尾市まで約50分とアクセスが良いため。高岡市内は県外ナンバーの給水車や救急車が行き交い、ホテルは予約が取りづらい状況が続いている。

 「数日前から医療や行政関係者でいっぱい。9割は復興支援の関係者だろう」。アパホテル高岡駅前の担当者は語る。今後、仮設住宅の建設や道路工事に伴う作業員の利用も見込まれ、「春ごろまで予約が途切れないのでは」と話す。

 停電の復旧を支援する関西電力送配電は12日から高岡市内のホテルを拠点とし、被災地と高岡を行き来している。担当者は「現地までのアクセスと安心できる宿泊場所を総合的に判断した」と説明する。高岡駅に隣接する市営駐車場には、関東や九州など各地のナンバーの給水車や救急車、作業車両が並ぶ。

 角田悠紀市長は20日、松村祥史防災担当相との意見交換の席上、「高岡は被災地でありながら、被災地支援の拠点の役割を果たしていかないといけない」と強調した。断水が解消した氷見市の林正之市長も、民宿などを作業者の拠点として活用することを提案した。

  ●富山市内も利用続く

 富山市内の宿泊施設でも、復旧支援で駆け付けた自治体や企業の利用が相次いでいる。ホテルJALシティ富山(同市)では地震後に宿泊のキャンセルが約1500人分に上ったが、復旧支援でキャンセルを上回る予約が入っている。市内のホテル関係者からは「金沢で宿泊施設を確保できず、富山に流れてきているのではないか」との声が聞かれる。

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