イラン、軍事顧問殺害に報復警告 各地でイスラエルと交戦激化も

イランのライシ大統領

 【テヘラン、ワシントン共同】イランのライシ大統領は20日、革命防衛隊の軍事顧問が死亡したシリア首都ダマスカスへの空爆はイスラエルの仕業だとして、報復を警告する声明を出した。米軍が駐留するイラクの基地では同日、親イラン武装勢力による攻撃が発生。中東各地でイスラエルと親イラン派との交戦が続いており、一層の激化が懸念される。

 イスラエルは空爆への関与を認めていないが、ライシ氏は「卑劣なテロ」だと非難し、座視するわけにいかないと強調した。革命防衛隊などによると空爆は20日にあり、軍事顧問5人が死亡した。イランは内戦下のシリアで、アサド政権側に軍事顧問を派遣しており、空爆された建物では親イラン組織幹部らが会合を開いていたという。

 米中央軍によると、シリアでの空爆後、イラク西部の親イラン武装勢力がイラクのアサド空軍基地に弾道ミサイルやロケット弾で攻撃し、イラク治安部隊の少なくとも1人が負傷した。米兵にもけががなかったかどうか調べている。

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