全国剣道選抜県予選特集 女子(3) 目の前の相手を倒すことだけに集中する柳ケ浦 【大分県】

全国選抜剣道大会の県予選が開催される。女子は12チームが出場し、上位2チームが全国への出場権を手にすることができる。優勝候補は昨夏の全国高校総体で準優勝した明豊。主力選手は抜けたが選手層は厚い。今回は打倒・明豊を掲げるライバル校を紹介。第3回は2枚看板を擁する柳ケ浦だ。

11月の県高校新人大会個人戦で身吉里桜(2年)と新藤瞳奈(同)が5位に入賞し、団体戦とともに九州大会の出場権を獲得した。部員は2年生3人、1年生2人、団体戦参加制限ギリギリの5人ではあるが、田中洋嗣監督は「一戦一戦大事に戦い、身吉と新藤の2枚看板につなぐことができた。試合をするごとに成長が見てとれた」と振り返る。

実戦を意識した稽古が自信につながっている

勝負強く、精神的強さのある身吉、基本に忠実で、粘り強い剣道が特徴の新藤がポイントゲッターとなり、他の3人が「打たせないで狙えるところにきっちり決めていく」(田中監督)。全国選抜大会の県予選に向けて、これまでと同じく「自分の役割を意識して、変に欲を出さずに平常心で臨むだけ。これまで稽古してきたことを出し切るだけ。相手を引きつける得意の形に持ち込みたい」(身吉)と気負いはない。

優勝候補の明豊や佐伯鶴城と比べると戦力は落ちるが、実戦を意識した稽古が部員たちの自信につながっている。田中監督は「同じ高校生。諦めずに戦えば何が起きるか分からない。積み上げた稽古では負けない。一瞬の隙を逃さず、とにかく目の前の相手を倒すことだけ考えればいい。チームの雰囲気は明るく、試合が楽しみ」と手応えを感じている。

挑戦者として大会に臨む

(柚野真也)

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